娘は女子大の付属高校に進んだ。彼女が何故その学校を選んだのかは分からぬが確かに自分はそこを勧めた。中学から入学すればとも言った。その大学は漫画家・高橋留美子の母校でもある。高校生の頃にクラスメイトから教えてもらった彼女の漫画にすっかり僕は虜になってしまい、コミックスは買いアニメのセル画まで買う始末だった。 中学から入学すると良いだろうなと思ったのは辛い受験は一回きりで終えたら、と思ったからだろう。いつか本人もその気になっていた。しかし彼女が小六の秋に自分はドイツへ転勤となりひと月遅れて一家が北緯五十度の街へ引っ越してきた。娘は受験を諦めたが、悔しかったのかホッとしたのかは分からない。 現地の中…