今日も事なし凩に酒量るのみ 山頭火きょうもことなし こがらしにさけはかるのみ明日は如何なる身の上になるかはかりしれぬ身の上であればこそ、今日のこの量る酒だけを素直にいただこう。明日に向けて何を計る必要があろうか。わたし「いろは」も今、一合の酒をたしなんでいる。酒を飲み、これを書きながら思う。この娑婆世界の現実には一合という限られた量がある。しかし、本来そんなものはない。人間の作り上げた尺度の現実に過ぎない。しかし、現に目の前には一合の酒が、ありありとある。その量りの中でわれわれは生きている。「凩に酒量るのみ」の現実が、ありありと在る。「今日も事なし」にアンニュイを思う。また、「今日も事なし」と…