宮沢賢治の童話集『注文の多い料理店』には、序が付いていて、そこからも賢治の伝えたかったことが読み取れます。 序 『注文の多い料理店』単品ではなく、童話集全体の序は以下の通りです。 わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。 またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。 わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。 これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからも…