今から100年前の1924年12月に、宮沢賢治は童話集『注文の多い料理店』を出版しました。 『注文の多い料理店』の復刻本 『春と修羅』は自費出版でしたが、童話集『注文の多い料理店』は、盛岡高等農林学校の1年後輩の及川四郎と近森善一が作った光原社という会社が出版したものです。賢治も含め皆28歳の若者でした。装丁に凝りすぎたため予算超過となり、賢治が1,000冊中の200冊を引き取ったと、現在も盛岡市にある光原社でもらった資料に書いてありました。 光原社のある盛岡市材木町にある賢治像 出版に際し、賢治は次のような自筆の広告文を書いています。 イーハトヴは一つの地名である。 強て、その地点を求むるな…