波の音、そして潮風。 恋人岬の展望台に立つ二人は、紺碧の海を背景に、静かに時を刻んでいた。 「さあ、鳴らしましょう」 優希がそう言うと、彩は少し緊張した面持ちで愛の鐘に手を伸ばす。 この鐘には、恋人が名前を呼びながら3回鳴らすと、 二人の愛が永遠に続くという言い伝えがある。 「優希…優希…優希…」 彩は、優希の名前を力強く呼びながら、鐘の紐を強く引いた。 澄んだ音が、二人の心を震わせ、広大な空へと響き渡る。 「次は私の番ね」 優希は、彩の手を握りしめ、優しく微笑んだ。 そして、彩の名前を、愛を込めて口にする。 「彩…彩…彩…」 優希の声は、彩の心に温かい光を灯す。 二つの声が重なり合い、一つの…