三角関数の初等的説明で, ときどき気持ち悪いのは, 「それって一般角で本当に成り立つの?」と思ってしまう疑問に答えてくれないことだ. 別に証明が大変というわけではない. たとえば, の場合, 加法定理で証明すればよいではないかと思うかもしれないが, そもそも加法定理を証明する場合, ほとんどは還元公式を使っているので, やはり違うやり方で証明しておいた方がよい. (そもそも加法定理は鋭角の場合で成立することさえ示せれば, 還元公式により一般角でも成立することが示せるので図形的証明は一般角でも有効なのだ.)下図のように原点を中心とする単位円上の任意の点 を とし, 直線 に対称な点を とする. …