序文・武士の特権 堀口尚次 切捨御免とは苗字帯刀とともに、江戸時代に武士へに無礼を止めるように注意後も無礼を働き続けた場合に限り認められた殺人への後世の呼称である。当時の呼称は史料においては「手討」「打捨」である。切捨御免は最下級武士である足軽にも認められていたものの、無礼の様子の目撃者などの証拠や正当な理由が確認出来ない場合、所定の手続きをしなかった場合、違法である「辻斬り」として処罰された。近世において武士が耐え難い「無礼」を受けた時は、斬っても処罰されないとされる。実態としては、喧嘩による斬り捨て御免も「無礼討ち」として処理されていた。幕藩体制を維持するための観点から認められていたと考え…