今日は、ぼくちくわがとってもいい場所を見つけたんだ。それはね、母ちゃんたちの寝室の押し入れの中。昼間はいつも閉まってるから、ぼくもあまり気にしてなかったんだけど、今日は運よく開いてた。母ちゃんが布団を干そうとした瞬間、パタンって開けたそのすき間から、ぼくはスルッと忍び込んだんだよ。 押し入れって、外から見るとただの四角い箱だけど、中に入るとまるで異世界だった。ふわふわの布団が何枚も重ねてあって、空気が冷んやりしてて、それにちょっと暗くて静か。あの静けさがたまらなく良い。まるでぼく専用のひみつきち、いや、猫のために作られた城みたいだったよ。 押し入れの奥の方にちょうどいいくぼみがあって、そこに丸…