敵

そろそろ 私の住む場所も 梅雨入りしそうな今日の日 一日中 鬱蒼とした雲に覆われ 低気圧が 何気に眠りを誘う 鉄瓶でお湯を炊くと 生ぬるい空気が漂い 靴下を脱ぐ。 雨の音が 少し心地いいけれど これからの季節を考えると いかに 自分のコンディションを 整えて行くか？ が最大の難問だ( ﾟДﾟ) などと考えながら 色々な策を練る。 皆が持っている 何というか 雨ばかり続くと 心身が重くなる そんなことなので 大きなことではないのですが・・・ 避けれるものなら 避けたいので 色々な石を身に付けたり 外したり色々 昔は 男には７人の敵がいる などと言われていましたが 今時女は 家に居てても５０人くら…

敵ハ ユックリ 近ヅイテクル 先日、映画を観てきました。 『敵』 渡辺儀助、７７歳。大学を辞して１０年、フランス近代演劇史を専門とする元大学教授。２０年前に妻・信子に先立たれ、都内の山の手にある実家の古民家で一人慎ましく暮らしている。 毎日の料理を自分でつくり、晩酌を楽しむ。朝起きる時間、食事の内容、食材の買い出し、使う食器、お金の使い方、書斎に並ぶ書籍、文房具一つに至るまでこだわり、丹念に扱う。 だがそんなある日、パソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。 「敵」は何なのか。逃げるべきなのか。逃げることはできるのか。自問しつつ、次第に儀助が誘われていく先にあったものは…

春夏秋冬。季節は春に始まり、冬に終わる。そんなこと誰が決めたのか。ある人によっては1年は夏から始まり、春に終わるかもしれない。これだけ季節が狂っている時代、そう主張したっていい。それは敬愛する吉田大八にも言いたい。 映画は原作を忠実に再現するものではない。原作を徹底的に破壊してこそ、新たな命が宿る。 この映画において「妄想」は不要。無理やりにでも現実の設定に落とし込むべきだった。しかし、妄想を逃げ場としてしまい、映画としての力を大きく損なった。 現実世界で教え子を襲う、一緒に入浴してイチャイチャする。クリント・イーストウッドは90歳を超えたジジイになっても娼婦を買う。その逞しさが映画に必要だ。…

敵（新潮文庫） 作者:筒井 康隆 新潮社 Amazon 『敵』筒井康隆著を読む。 最初に話題となっている映画版を見た。それから、小説版を読んだ。どちらもすっげえよかった。 主人公は、元大学教授・渡辺儀助。妻・信子は逝去。一昔前に「スライス・オブ・ライフ」という言葉が流行った。それに倣えば独居インテリ老人のスライス・オブ・ライフになる。 小説というとストーリーとか流れを読むものだが、この小説は違う。あえて既成の小説の枠組を解体して、タイトルごとに独立した話が展開する形式。料理、洗濯、掃除、買い出しなど日々の行状が事細かに綴られている。野菜ぎらいの偏食。毎日適量飲酒。食い道楽。愛用している文房具や…

www.youtube.com ＊ みずからのＸデイを決めている男の映画だというので観に行った。筒井康隆原作、吉田大八監督作品。モノクロで、画面サイズはヨーロピアンビスタ。モノクロ映画はいろいろと刺激があっていい。元大学教授でフランス文学の教鞭をとっていた男・渡辺儀助が夢と妄想を伴う生活を送っているさまを描いた作品。夏・秋・冬・春と進むのだが、その夢と妄想が著しく進んでいく様を描いている。この映画の裏主人公は儀助の棲んでいる家だ。吉田監督は、「あの家が、『惑星ソラリス』のように、料理や女性を登場させているのかも知れない（中略）時間と空間を超える特殊な場としてこの家が、儀助と同様に重要なメタファ…

筒井康隆の同名小説を映画化した作品で、主人公である 終活中の老人を名脇役の長塚京三が演じています。そもそもこの老人に対する「敵」って誰なんだ、というのが本作のメインテーマになっていますが、結論として本編中に提示されることはありません。ただ、「老境に差し掛かり終活中ならいっぱい問題はあるだろう」って話なので、「性欲」だったり「プライド」だったり「純粋な恋」であったり、まあそこら辺が都度描写されるので、それらがいわゆる「敵」なのでしょう。 全編モノクロということもあり、後半の地獄の様相も若干ホラー風味になっているので、これも結構粋な演出に感じました。また、前述の通り具体的な明示は無いものの割と考え…

映画「敵」（2024）をMOVIXさいたまにて見る。原作は筒井康隆の同名小説。妻に先立たれた老齢の男性が、自らの「Xデー」（預金残高に見合った死）を決めたが、そこにパソコンに不穏なメッセージを受け取ることで徐々に狂っていく様子を現実と妄想・虚構を織り交ぜて描いている。全編モノクロ。 第37回東京国際映画祭で「東京グランプリ」「最優秀男優賞」「最優秀監督賞」の3冠受賞。監督は「桐島、部活やめるってよ」などの吉田大八。 主演の長塚京三が、自然体でリアル。「パーフェクトデイズ」で役所広司が日本映画の賞レースで主演男優賞を受賞したが、長塚京三は、それに勝るとも劣らない演技を見せていて、記憶に残る。 【…