昨夜は十三夜の月を見上げた。いや、“愛でた”。左がわに半円が重なるので眼鏡を取りに戻って。周囲は闇。境内の敷石に澄んだ月の明るさが映える。 荷風の『断腸亭日乗』には月の記述も多く、夕食を自宅でとった後に、わざわざ月を見に出かけたりしている。さまざまな場所で月を見て、数々の俳句も読んでいる。中秋の名月あり、冴えた寒月あり、半月もある。 この時節は竹藪に烏瓜が色づいたり、百舌が鳴き、石蕗の花が開き、菊花も馥郁としていること、山茶花の赤いのも白い花も2、3輪が開き始めている、といった記述もある。月の記述には表現の工夫がなされ、重複することがないと読んだことがある。 10月から拾ってみた。 昭和10年…