日記の中で文学性の濃いもの。紀行・回顧録・自叙伝の類をも含み、随筆文学と並ぶ自照文学の一種。「土左日記」を祖とし、「蜻蛉日記」「紫式部日記」「更級日記」など平安女流の作品、鎌倉時代の阿仏尼の「うたたね」「十六夜日記」や飛鳥井雅有の日記、後深草院二条の「とはずがたり」から南北朝初期の「竹むきが記」までの範囲をさすことが多い。
更級日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 86 ビギナーズ・クラシックス) 2024年の大河ドラマは『光る君へ』。 大好きな平安時代、しかも紫式部を題材にした作品というのがうれしくて、毎話楽しみにしています。 このあいだ、職場の同僚と「おもしろいよね!」と盛り上がれてうれしかったなあ。 『光る君へ』放映中は、晴明神社にて「華守」「雅守」という平安時代の衣服をデザインした限定のお守りも出ているので、気になる方はぜひチェックしてみてください(ㆁᴗㆁ✿) 紫式部といえば『源氏物語』ですが、私はずっと気になっていた菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の『更級日記』を。 何…
※当ブログではアフィリエイト広告を利用しています わたし自身、学生時代から「ライフログ」としてずっと「手帳」や「日記」を書き続けています。 そこには自分のささやかな「歴史」が刻まれています。 また、書くことを通してこれまでの歩みを俯瞰でみることが出来たり、何かに気付いたりすることもあるので、まがりなりにも続いているのでしょう。 一方、他の人の書いた「日記」についても、実はとても興味があります。 たとえば・・・ 「何を書くのか」。 あえて、良かったこと、嬉しかったこと、楽しかったことだけを書く 嫌なことや不満について、ストレス解消に役立てようと思って書く 起こったことを、淡々と書く 「どんな風に…
飛行船と万年筆から『ツェッペリン飛行船と黙想』という本にいきあたった。 krokovski1868.hatenablog.com krokovski1868.hatenablog.com はずかしながら、上林暁という作家を知らなかった。どうも文学は敷居がたかくて食指がうごかない。 濃淡でいえばあきらかに淡のほうのひとで、適度な表現で簡潔に視覚的な描写をする。語彙が多彩で、つかう分量がちょうどいい。一見、なんの変哲もない文章なのだけれど、緻密に練られた結果としてそうなっているのが伝わる。ことばの抽斗をふやす努力を10年単位で継続し、かつ文に対する美意識を磨きつづけないと、こうはならないのではない…
日記の面白さとは日記文学といえば古いものでは『土佐日記』だろうか。作者の紀貫之は女になりすまし土佐日記というブログ(!)を全文ひらかなで書いた。名作と言われる土佐日記を読んでいると、紀貫之はときどき馬脚(男)を露している(それも愛嬌)。いくら名作だと言われても わたしにとっては、紀貫之は日記より歌がいい。少しだけ日記の内容を紹介すると… 四、五年にわたる国司の任期を終えた紀貫之は高知から都へ帰ってくる。今なら半日、せいぜい一日もあれば帰京できるだろうが、当時は船で大阪湾から淀川・桂川をさかのぼり55日もかかっている。悪天候に見舞われたり、海賊の心配をしたり大変だったみたいだ。 真昼間に都に入る…
2023年はや10日以上が過ぎて、何となく時間の波に乗り切れてない自分がいてる。無理に乗る必要もないのに乗ろうと、もがいてる姿は他人からみたら滑稽なんだろうな。 去年からの仕事のモヤモヤとストレス。いっその事ぶち壊したくなる。忖度して仕事する気もない。嫌いなもんは嫌い。これで損をしようが、敵が増えようが構わない。八方美人の八方塞がりな状況よりは随分ましだとは思う。こんな生き方あってもええよな。 小言や他人の文句。ああ言えばこう言う。楽しくない生き方は嫌なだけ。一回だろうが二回だろうが、今生きてるこの時間は楽しく笑って過ごしたい。どうしてあんなに他人の事が気になるんやろう。不思議。自分の中で、そ…
書くことで脳内がスッキリすることもあれば、逆に余計グチャグチャになる事もある。分かってるのにやめれない、中毒者みたいな状況に身を置いてしまう悪い癖がある。考えても仕方ないのに、考えてしまい、どん底まで堕ちる事もやめれない。スッキリしたいのに、余計縺れて解けない糸のように心が絡まってしまい、泣くに泣けない夜。何度も経験したのに、結末もだいたい想像出来るのに。それでも懲りずに手を伸ばし開くページ。救いなどどこにもない。自虐的だと笑えればまだ良いが、笑いなど微塵もない。最低な瞬間。それでも世界は美しいと思いますか?こんな世界を愛ますか?自分の住む世界など猫の額くらいのもんだと思って自覚してるつもりだ…
久しぶりに更新。生きてます。どうにか何とか日々過ごしてます。そろそろ年末モードが漂いはじめ、クリスマスと年末が同居する異様な時期。どこかソワソワするような、流されているような。とにかく忙しない。仕事柄、季節のイベントなどは迅速に対応しないといけないけど。実は11月からのドタバタが大嫌いなんです。もっとゆっくり毎日を過ごしたい人には居心地が悪い。日々同じとは言わないけど、忙しい雰囲気がどうもしっくりこない。もっとスローでいいじゃないか。年末などに囚われず、いつもの日々でいいじゃないか。あきまへんか?そんなこんなで年末へのスピードが上がっていく。クリスマスが過ぎれば一気に。はぁ気が重い。嫌いな季節…
1人世界の車窓から 今日も1人電車に揺られ、市内の会議室まで。今回は何故だか行く気が全くしない。前回は1人で電車に乗って市内に行くのが初めてだったし、楽しかった。終わりに本屋行くのもご褒美感覚で。本屋に行くのは今回も行くけど。ご褒美。電車の匂いが懐かしくもあり、不快でもある。好きにはなれない。幼少期の新幹線に乗り祖母の家に行くのを思い出す。オカンと離れる不安と新幹線の匂いで気分が悪くなるダブルパンチ。そんな記憶忘れてたはずなのに、思い出された。1時間の小旅行。会議室の話し合い。空気が重いし、役員になるなんて益々気が重い。来年は抜けさせて貰えるだろうか。2年は続けないといけないと噂で聞いたけど。…
久しぶりにメモ帳を開いた。いつもメモ帳に思いつくままその日の出来事を殴り書きしてた。しかし、いつの間にか日々の忙しさに流されメモ帳を開く事すらしなくなってた。忙殺の日々。 台風から一夜明け。安堵感と共に感じる疲労感。疲労感の方が年々増してきている。安堵するとへたり込みそうになるから。今回もヒヤヒヤしながら過ごした時間。ついに引越しを決意した夜。さて物件探し!しかし、これまた問題が。田舎は物件の数が少ない。空き家は多いがもう一軒家は懲り懲りなんで。この先のことを考えると賃貸アパートが楽でいいかな。ついでに断捨離も出来るし。 大型台風が来るたび、直撃コースと聞くたび。床上へ上がる荷物。その都度レコ…
今1人で電車に乗ってる。仕事で。 こっちに移住してから初めての1人電車。 少しソワソワ。しかしこれからの会議の事を考えると気が重い。 帰りは市内の大きい本屋に寄って帰れる!これが1番の楽しみ。 1時間の小旅行。小旅行にもならんかな。 車から電車に変えるだけで1日こんなにも気分が違うのかと痛感してる。 明日は明日で違う店舗へ応援。帰りはかなり遅くなる。 目まぐるしい1週間。たまにはいいか。
有明の月の鴛鴦の夢 ―『とはずがたり』をめぐる一仮説― 草野 勝 後深草院二条『とはずがたり』には、数多くの夢が語られている。特に、二条の懐妊をめぐる夢についてはしばしば研究の対象となってきたが、本発表では、有明の月との第二子出産をめぐって語られた「わが身が鴛鴦といふ鳥となりて、御身の内へ入ると思ひつる」の解釈をめぐる仮説を提唱する。 有明の月が見たこの夢は、懐妊を知らせる夢であることを念頭に、雪の曙との子の懐妊の夢や、有明の月の第一子の懐妊の夢との共通性から理解されてきた。その結果、それらの夢との差異が見落とされて、この夢をめぐる表現性を十分把握しきれなくなったように思われる。 本発表では、…
大河ドラマ「光る君へ」に菅原孝標女が登場すると発表された。後に『更級日記』を書くことになる女性である。 『更級日記』は江國香織さんの現代語訳で読んだことがあったが(当ブログでも紹介した)、この際ちゃんと読んでみようと思い、手を出した。 まずはいつものように「ビギナーズ・クラシックス 日本の古典」シリーズから川村裕子編『更級日記』を読むことに。毎度毎度のことながら、たった数百円で古典作品の基礎が分かるというのは、奇跡に近い。 そしていよいよ原岡文子訳注『更級日記』へ。 一度は現代語訳を読んでいることから、今回は「脚注だけで原文を読む」ことにチャレンジしてみた。 上総の国で育った作者。姉や継母から…
奇想の又兵衛 山中常盤物語絵巻 – MOA美術館 | MOA MUSEUM OF ART gyazo.com 0 絵巻は横移動し続け、三味線はうなり、大夫は語る。 https://taizooo.tumblr.com/post/119925575345 僕の大好きな引用です。〔これは(広義における) Reblog と呼ばれます〕〔そしてこの post は長大で乱雑で冗長ですので、手引として読み飛ばしガイドを示します。発端: 4から読む、助走: 6から読む、主旨: 9から読む、結論: 11から読む、着地: 12まで飛ぶ〕 1 この引用は2015年5月に『先見日記』から Reblog したものです…
会員のみなさまへ 日記文学会第86回大会開催案内 第86回大会を下記の要領にて開催いたします。今回は前半の研究発表はオンライン中継いたしますが、後半はプログラムの都合でオンライン中継はいたしません。あしからずご了承ください。あわせて委員選挙も対面にて実施いたします。なにとぞご協力をお願いいたします。 記 日 時:令和6年12月21日(土)13:10~17:45(予定) ※受付は13時開場 場 所:早稲田大学早稲田キャンパス14号館401教室 委員の方は12:15~委員会を行います。会場は上記と同じです。 日記文学会ブログ(検索サイトで日記文学会ブログと入れて検索してください) に早稲田キャンパ…
なぜ人は日記を書くのでしょうか。人間の脳は、たった80年ほどの記憶の全てを覚えられない出来損ないだからでしょうか。 記録のために写真を撮ってみました。しかし私が実際に見た景色と暗箱に収められた景色は全くの別物でした。私の視力が弱いからなのでしょうか。私の眼球には、寒き夜の電光飾の輝きは頭に響くほど眩しく、遠くに見える夕焼けは過呼吸がするほど美しい終末のように映るのに、私の間抜けなiPhone14は、電光飾をただの豆電球に、夕焼けはただの夕暮れの空にしてしまうのです。私の見ている景色の方が何倍も美しいはずなのに。 私の脳は記憶の改竄が激しいという特徴があります。視力の問題でしょうか、感性の問題で…
『平安時代の男の日記』 倉本 一宏著 今年の大河ドラマ「光る君へ」は、いい意味で期待はずれであった。残り2ヶ月になったが、脚本次第では案外観させるものだ。そのドラマの時代考証担当の歴史学者の、タイムリーの企画本を、ドラマの登場人物を頭に描きながら、面白く読んだ。 平安期は恐ろしく日記が書かれた時代だったようだ。ここではまず、「日記文学」と言われる女の日記を取り上げておられる。『蜻蛉日記』『和泉式部日記』『枕草子』『紫式部日記』『更級日記』である。いずれも男の日記とは違い、「筆者の心情の表出を主体として」おり、それゆえ「日記文学」とされる。筆者の女性たちは、ほぼ同時代で、驚いたことに血縁関係か姻…
2024年大河ドラマ『光る君へ』が佳境ですね。31回以降まひろ(紫式部)は熱心に『源氏物語』を執筆し、宮中で人気になっていく様子が描かれました。その『源氏物語』執筆のきっかけであり対象読者として念頭に置かれている…とドラマ内で描写された一条天皇も、先週亡くなってしまいました。 『源氏物語』執筆とその影響をドラマなりのアレンジで色々と尺を取って描いおり、王朝人が楽しそうに源氏物語を読んでる姿が実写化されたのはなかなか胸熱です。このドラマのキモと言ってもいいでしょう。でも私は実は、一方で、色々と違和感を持っていました。 まず、『源氏物語』執筆に向けての助走期間が妙に短かったのが気になります。習作的…
以前紹介した多田蔵人・中島国彦両氏による校注付きの『断腸亭日乗』(2)をクロード(多田)さんから受贈された。一葉日記と共に近代日本の日記文学を代表するその名も高い『断腸亭日乗』が岩波文庫で読めるのは、現代人の幸せの一つだネ(昔は全集などでしか読めなかったからネ)。第2巻は個人的にも興味深い大正15年から昭和3年までのもので、左傾化した時代に荷風がどう対処したかを読むことができる。全集には無かった校注付きの上に中島さんの興味深い解説が巻末に付されているので、日記のツボを逃さないように配慮されている感じだネ。それにしても、 《女好きなれど処女を犯したることなく又道ならぬ恋をなしたる事なし》(昭和3…
紫式部や清少納言など、女流作家が活躍した平安時代 男女の関係は、国や地域それぞれの気候によっても変わってくるものです。 南洋の実り農かで漁場にも恵まれたような地域では、男がだらしなくてあまり働かないという光景もよく目にします。生活物資があふれているので、男の手を借りなくても女たちだけで日常生活が営めるのです。 食事の世話から家族の世話などすべて女たちだけでできるので男の出る幕がありません。女性は女性だけで社会をつくり、男性が添え物のようになっている地域もあります。 その点、日本の気候風土はちょうどいいと言えるのかもしれません。基本的に、男は外で働き、女は内(家)を守る。自然を相手に男性と女性が…
10月7日(月) 予報通り、雨でヒンヤリ、雨が降る 帰宅時間帯は大阪など太平洋側も激しい 0日頃から広く秋晴れ 3連休は夏日が続出 大阪市で最高気温30度以上の「真夏日」がきょう7日で95日に 大阪でライブ会場でクレーン倒れ4人けが 「重さ240キロのカメラ機材」 現役大学生の約9割が「コロナで高校生活の青春が失われたと思う」と回答 日本版GPS、11機体制へ 25年度に衛星開発本格化 中国は台湾の祖国になり得ない」 「建国記念日」行事で台湾総統 米誌「世界で最も魅力的な国」、ベトナム7位 日本が2年連続1位 朝5時10分 朝の準備 6時前みんなでいつもの散歩、半分 8時半 久恵と歴史博物館へ…
あいつもこいつもどいつもただの馬鹿! 「教養」ってなんだと思います? ▼目次 教養は人を殴るためにある! 向上の心だって持ったって 檸檬の爆弾 仕掛けましょう! 教養は人を守るためにある! コロンブスに鉛の切符を 我思う故に 日記 文学少女インセインの元ネタ分かんな~い!(笑) やってることは平安貴族 画像取り扱い注意 知性、品性、情緒 関連記事 キーワード:教養、強要 ▼恥の多い人生を kmshzr-im.hatenablog.com ▼Impression 【オリジナル曲】文学少女インセイン カラスヤサボウ feat.鏡音リン 教養は人を殴るためにある! pic.twitter.com/x…
はじめに 二〇一九年にはじまった新型コロナウイルス感染症の大流行下、ロシア軍のウクライナ侵攻が続くなか、この「はじめに」は書かれているのだけれど、第二次世界大戦終結から七七年、東西冷戦時代を経て市場原理が地上をあまねく支配し、こと経済活動については国境が陳腐化しつつあるにもかかわらず、いや、だからと云うべきなのか、国民国家の内向きの閉鎖性、自己中心的な振る舞いがいよいよ目立つようになりつつある。これはおそらく資本制の回転運動が臨界に達しつつある状況で、それとどっぷり結びついた国民国家が見せる病的(とあえて云う)兆候なのだろう。排外主義的ナショナリズムの狂熱が国民国家を無茶な行動に駆り立て、厄災…
家族2も順調に学校生活に慣れてきて、学校生活の話を少しだけしてくれる。中学は、色々あってフリースクールに行った人なので、学校の授業をこなしつつ友だちと放課後に話をしたり、一般的に普通といわれる学校生活を送ることに感動しているようだった。 「なんかいいよねえ」 としみじみ言う家族2。 そうねえ、フリースクールもそれなりに楽しかったみたいだけど、症状がおさまってきて同世代の子たちと過ごす日々は、今まで大変だったから余計に貴重だよねえ。 私が日記文学が好きなのは、人のアルバム見せてもらう感じに似ているところもあるんだけど、友人、知人家族が送っている日々を聞くのもそれに似てなかなかしみじみするね。 *…
今回の「生き物にまつわる言葉を深掘り」のテーマは「蜻蛉」です。 「蜻蛉」(かげろう)は、『源氏物語』五十四帖の巻名の一つですし、また、藤原道綱母の『蜻蛉日記』(かげろうにっき、かげろうのにっき、かげろうにき)は、平安時代の女流日記文学として有名です。 蜻蛉日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川文庫ソフィア 94 ビギナーズ・クラシックス) 作者:右大将道綱母,谷口 広樹 角川グループパブリッシング Amazon 当時、蜻蛉とはいったい何を意味していたのでしょう? 上記を踏まえ「蜻蛉」を「生き物にまつわる言葉」として深掘りリサーチしてみました。 蜻蛉の読みごとの意味・由来 蜻蛉(かげ…