旅エッセイはやっぱりいいなぁ。 「扉の向う側」 ヤマザキマリ マガジンハウス 雑誌「ku:nel (クウネル)」連載のエッセイの書籍化。 私は旅エッセイが好きだ。読んでいてなんとなく行った気になれるし、普段の生活環境とは違う独特の雰囲気と香りが漂ってくるのがなんとも味わい深い。 けれどもこの本は、「旅」について書かれているのではない。「人」について書かれているのだが、著者が海外で出会った人たちの話は、異国情緒たっぷりの旅エッセイとして読める。 著者自身の挿画とともに、小学校、留学時代から現在まで、著者の周囲にいた人々、偶然出会った人たちが、いきいきと、そしてときに切なく描かれている。 たった一…