日本神話の中には、太陽を象徴する「天照大神(あまてらすおおみかみ)」、嵐を司る「須佐之男命(すさのおのみこと)」、そして夜の月を象徴する「月詠命(つくよみのみこと)」という三柱の兄妹神が登場します。その中でも月詠命は、最も謎めいた存在であり、今日においても多くの人々にその神秘性ゆえに関心を持たれています。 1.月詠命とは誰か? 月詠命は、古事記や日本書紀に登場する月の神です。名前の「月」はそのまま月を、「詠」は「詠む(よむ)」や「語る」といった意味を持つことから、「月を語る神」あるいは「月の運行を司る神」とされています。一般的には男神とされ、天照大神の弟、須佐之男命の兄と位置付けられることが多…