星野道夫は、日本の動物写真家、エッセイスト、詩人。 1952年、千葉県に生まれる。 慶応義塾大学卒業後、動物写真家・田中光常の助手を経て、1978年に米アラスカ大入学。 1986年にアニマ賞、1990年に木村伊兵衛写真賞を受賞。 1996、ロシア・カムチャツカ半島でテレビ番組の取材に同行中、ヒグマに襲われて死去、43歳没。 関連語 リスト::写真家
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人が旅をして、新しい土地の風景を自分のものにするためには、誰かが介在する必要があるのではないだろうか。どれだけ多くの国に出かけても、地球を何周しようと、それだけでは私たちは世界の広さを感じとることはできない。いやそれどころか、さまざまな土地を訪れ、速く動けば動くほど、かつて無限の広がりを持っていた世界が有限なものになってゆく。誰かと出会い、その人間を好きになった時、風景は初めて広がりと深さを持つのかもしれない。(星野道夫『ゴンベの森へ アフリカ旅日記』ちくま文庫、2025) こんばんは。やはり、星野道夫(1952-1996)の文章は沁みます。特に上記の引用のところはいいなぁと思っていたら、解説…
「今日は愛と希望と勇気の日です」 1月14日、愛車のナビが教えてくれた。たしか、去年もこの言葉が心のドアをノックしてくれた。 ・・・・・ 三日前のその日、東北に住む友人夫妻から星野道夫さんのポストカードが届いた。 小さな図書館の取材で出逢った若い記者さんからの「謹賀新年」のメッセージ。 互いの安否をそれとなく気にかけながら星野さんを愛してやまない私たちの緩やかな友人関係が続いていることに感謝せずにはいられない。 25年ほど前にもらった星野さんの『旅をする木』には付箋がいっぱい貼ってある。 ・・・・・ その日、こころ洗われるような番組があった。 「よみがえる新日本紀行~能登のかざぐるま~」 あい…
なんと美しい文章を書く人だろう。 星野道夫の目を通して、本は人を太古の昔に導いていく。 こんな良書がまた、小さな簡単に忘れられていたであろう誰かの歴史を掬い取る。 そしてまた本の中で生きていく。 リツヤベにひとりで生きた、ジム・ハスクロフ。 スペルもわからないこの男のことを知る。 1995年に出た単行本である。それからもう30年近く経っている。 私たちはどこまで自然から離れて生きていくのだろうか。
GITANESは読書のお伴。 それとは無関係に・・・。 読書離れとか活字離れとか、相変わらず社会問題として しばしば取り上げられる。 文化庁のアンケート調査・NHKの報道によると、 オトナの6割以上が「1か月に1冊も本を読まない」と答えたらしい。 スマホなどの利用時間が増えている・書店が減っている などがその原因らしいのだが、 『読書時間を増やしたいと思うか?』と問われたら、40%以上が 「そうも思わない」と答えたとのことだ。 逆に、子供の間ではわずかながら読書量が増えているという 調査結果もあるらしい。 小学校高学年が月間12.6冊で10年前より2冊増 中学生は月間5.5冊で過去最多、10年…
圧倒的な自然を前に、人間の小ささを知る。自然災害を経験するたびに、自然は人間のコントロールできるものではなく、人間のことなど意に介さないと感じる。自然は、そこにあるだけ。それでも人はそれにどうしようもなく感動することがある。 旅をする木 (文春文庫) 作者:星野 道夫 文藝春秋 Amazon 『旅をする木』は、前から読もうと思っていた本だ。筆者はアラスカに魅せられ、写真家として人生の多くを厳しい自然の中に置いた。アラスカ先住民の暮らしや、今は失われたその文化のこと、厳しい自然のこと、亡くなった友人たちのことを手紙のように、日記のように語っている。巨大な自然がある。人間の手の届かない場所で、力強…
星野道夫〜悠久の時を旅する〜に行ってきました。 京都四条の大丸ミュージアム6階です。 写真撮影は禁止だったので、入場前の2枚の写真しか撮れませんでした。。。 少年の頃から北の自然に憧れ、極北の大地アラスカに生きた星野道夫。取材中に事故で亡くなり、25年以上を経た現在においても、心打つ大自然や動物の写真と美しい文章で、多くのファンを魅了しています。北極圏の大自然、そこに息づく野生動物や人々、そして語り継がれた神話…… 星野は多くの「出会い」を通じて思索を深め、写真家として成長していきました。本展では、20歳のときに初めて足を踏み入れたアラスカの村の記録から、亡くなる直前まで撮影していたロシアのカ…
(星野道夫 悠久の時を旅する展) ★星野道夫 悠久の時を旅する展 北海道立帯広美術館、2024年4月20日(土)-6月30日(日) (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 極北の地アラスカに暮らしながら、厳しくも美しい自然やそこに生きる人々を撮影し、目の前に現れ消えゆく物語を誠実な文章と共に残した写真家・星野道夫。彼は早くから北の自然に興味を抱き、20歳のときはじめてアラスカを訪れ、その後、写真家としての道を歩み始めます。 本展では、「出会い」をテーマに、若き日に訪れたアラスカの村々の記録から、亡くなる直前まで撮影していたカムチャッカ半島での写真を、星野…