17世紀の江戸時代、吉原の女将の一生を描く、朝井まかてさんの時代小説。序盤は少々退屈に感じたが、途中からぐっと引き込まれ、最後は感動。素晴らしい作品だった。 落花狼藉 作者:朝井まかて 双葉社 Amazon 徳川家康の死去から1年たった、元和3年(1617)。吉原の大見世・大西屋の女将、花仍(かよ)は、子供の時分露頭に迷っていたところを拾われた孤児であった。亭主の庄司甚右衛門は吉原の顔役で、江戸のあちこちに散らばっていた傾城屋(女郎屋)を一か所にまとめ、吉原の町を作った男である。この度、十二年越しの訴えが通り、吉原は御公儀より売色御免、つまり売色の独占権を得ることに成功した。念願がかない歓喜に…