事件の発生 1939年(昭和14年)2月28日から翌29日にかけて、兵庫県神戸市立川池小学校で訓導(教諭)ら10名が次々に体調の異変を訴え、医師の診断により腸チフスの集団感染が判明した。 聴き取りの結果、28日に小学校訓導の佐藤文子さん(30歳)が同僚に分けたかるかん饅頭(九州地方の銘菓)が感染源とみられた。 かるかん饅頭 かるかん饅頭は、26日に明石郡西垂水町に住む「須磨病院」副院長・佐藤幹雄さん(37歳)方に届いたもので、家族は贈り主の名に心当たりはなかったが元患者かだれかだろうと見当付け、それほど気にせず口をつけた。 その残りを幹雄さんの妹文子さんが学校に持参していた。 幹雄さんら家族も…