犬の散歩で歩いていた。パチリパチリと音がしたので見上げると通りに面した10mくらいの高さの木の半ばで庭師さんが枝打ちを行っていた。音とともに枝は落ちて、道路の向こう、敷地内にそれが散らばっていた。見上げていると庭師さんはこちらに気づき会釈をしてくれた。逆光で良く見えないが、職人さんにありがちな気難しい雰囲気はなくきさくで話好きそうな方だった。 命綱は付けていないですよ。でも毎年登っている木だから枝の硬さとかよくわかるのです。 そんな話だった。なるほど、馴染みの木なのか。確かに彼は幹の瘤や太い枝を利用してうまく体を預けていた。そもそも植木職人さんに太った人は見たことが無い。彼もまた身軽で、それが…