Colonialism
植民地の獲得・建設を目指す思想もしくは政策。
古代から存在し、たとえばフェニキア人やギリシャ人が古代地中海世界で行っていた植民活動*1もここに含めることは可能である。この時期の動機としては交易や支配の拠点作りであり、あるいは本国でまかなえなくなった余剰人口のはけ口といったところである*2。
狭義の植民地主義である近代ヨーロッパの植民地主義は、15世紀のイベリア半島諸国の対外進出と大航海時代に始まり、その後資本主義の発達によって「帝国主義」とも呼ばれる「原料供給地と製品市場と資本投資先」としての植民地の獲得を目指すものに発展した。初期段階から経済的動機とともに形而上の目的(宗教的情熱)が含まれており、これはのちの帝国主義においても「キリスト教の福音を広める」の代わりに「未開人にすぐれた西洋文明を伝道する」などといった形で受け継がれている*3。
第二次世界大戦後、植民地帝国の維持は困難となり、列強は植民地を(しぶしぶか、自発的にはともかく)手放さざるを得なくなり、また、植民地主義自体も民族自決権などの文脈から否定されることとなった。
しかし、ネオコロニアリズムやポストコロニアリズムといった語に見られるように、形態を変えた支配は続いているとの指摘もなされている。