第1章:創作の現場で起きる「演繹と帰納」の愛すべきねじれ とよ田みのる先生の傑作アニメ『これ描いて死ね』の第4話には、創作志望者のみならず、思考のフレームワークを愛する者の心を強くくすぐるエピソードが登場する。作中、物語を構築する2つのアプローチとして提示されるのが「演繹法」と「帰納法」だ。 このエピソードは漫画界の巨星・手塚治虫氏が過去に語った創作論に端を発しているとされるが、論理学の厳密な定義に照らし合わせると、実に興味深い「用語のねじれ」が存在する。 本来の論理学において、演繹法(トップダウン)とは「前提や法則から個別の結論を導く」ものであり、帰納法(ボトムアップ)とは「多くの具体的観察…