書名:同志少女よ、敵を撃て 著者:逢坂冬馬(あいさか とうま) 出版社:早川書房 出版年:2021年 第二次世界大戦中、ソビエト連邦では女性の狙撃兵(スナイパー)が実在したのです。 この物語は、独ソ戦でナチス・ドイツがモスクワ攻略に失敗した頃から始まります。 主人公の少女は、モスクワ近郊の農村で母親と二人で生活をしていました。この村に撤退中のドイツ軍がやってきて、母親を始めほとんどの村人を射殺しました。その直後、ソ連軍が入村し、物資を残しておくとドイツ軍に利用される恐れがあるため、家屋や村人の死体を焼き尽くしてしまいました。 主人公は村で鹿などの狩猟をしていたこともあり、ソ連の女子狙撃兵の養成…