文章の書き方を記した名著『理科系の作文技術』(木下是雄著、中央公論社)。1981年の刊行以来、理系学生や技術者だけでなく、多くのビジネスパーソンにも読み継がれてきた一冊です。 この本が書かれた目的として序章に、広い意味での理科系の研究者・技術者と学生が仕事で文章を書くときに役立つような表現技術のテキストを提供することだと書かれています。つまりこの本は、「専門的な情報を扱う人が、仕事で“使える”文章を書くための技術書」です。けれどもそこには、理系・文系を問わず、すべてのビジネスパーソンに通じる“伝えることの本質”が描かれています。 今回はその中から「説明書」に関する記述を取り上げ、仕事での文章―…