再び、木下是雄氏の名著『理科系の作文技術』を読みながら、文章を書く力を高めるポイントを考えていきます。 本著の中でとくに印象的なのが、「道順の教え方」に関する一節です。 私はかつて,「道順の考え方」という随筆のなかで,道案内には二通りの流儀があると指摘したことがある. ある人が 駅を出るとすぐ左手に果物屋がある.そのとなりがそば屋,この通りを歩いて行って,郵便局の角を左に曲がると…… というところを,他の人は 駅前の道は山手線に直交している.それを山手線の外側に向かって進み,約200メートル先で,駅からかぞえて三つめの四つ角を左に曲がると…… という.この二つの型を私は微視型と巨視型(あるいは…