生涯に10人に1人が経験するとされてきた虫垂炎(いわゆる盲腸)ですが、近年では、生活習慣、腸内細菌環境の改善などにより、生涯発症率は減少しています。 とはいえ、妊娠中の外科手術の中で最も多いのが急性虫垂炎で、妊婦の2000~5000人に1人が発症するとされており、私たちの経験でも、妊婦2万人のうち5人が手術を受けています。 一般的に「盲腸(虫垂炎)のようなもの」と言えば、比較的簡単な外科手術という意味合いがありますが、妊娠中の虫垂炎は診断が難しく、治療が遅れると、流産・死産を引き起こしたり、母体生命に関わる場合もあるので、早めの判断が必要です。 妊娠中は虫垂の位置が移動して診断が難しい 子宮の…