うだるような日本の夏の日、セミの声が降り注ぐ午後。 僕と兄は、リビングの床に転がり、 汗だくになってテレビゲームに興じていた。 対戦ゲームの熱気とクーラーの冷気が混じり合い、 独特の蒸し暑さが部屋にこもる。 「くっそー!そこは守りに入んなよ!」 兄がコントローラーを握りしめ、叫ぶ。 「兄ちゃんこそ、攻めすぎなんだって!俺の勝ち!」 僕も負けじと叫び返す。 画面の中のキャラクターが爆発音と共に消滅し、 僕の勝利を告げる「WINNER」の文字が光る。 「ちくしょう!もう一回だ!」 「いいよ!何回でもやってやる!」 僕たちの戦いは、もはやゲームの勝敗を超えた 意地の張り合いになっていた。 そう、この…