小さいころ、よくかくれんぼをした空地がある。 野良猫仲間の楽しいひと時で、 いまでもフラッと立ち寄っては懐かしむ。 野良の私も、そんなことをするのよ。 そこに女の子がやってきた。 ランドセルを背負い、足取りは少しだけ緊張している。 心臓が少しだけ早く打つのを感じながら、 足元に目を落として歩いている。 この場所は、 近所の男の子たちが作った秘密基地だ。 彼女は、そのことをずっと前から知っていた。 男の子がどこか誇らしげに話しているのを聞いて、 気になって仕方なかった。 いつも男の子たちの後ろで、 ひとり黙ってその話を聞いていた。 でも今日は、その場所にひとりで来てみたかった。 男の子が見ている…