リンドウは、お盆の時期に備えられる仏花として馴染み深い花です。少し秋が深まると、山野に自生する、鮮やかな青紫の釣鐘状の花を見ることができるようになります。花を天に向かって広げる姿は、物静かな女性が、ふっと笑顔を見せているようにも見えます。リンドウは漢字にすると中国での名前である「竜胆」となり、古語では「竜胆」の音読みから来た「りうたむ」となって、このあたりの知識がなければ、詩や文章のなかから、正しくこの花を見つけることは困難です。たとえば次の歌には、リンドウの花が隠れています。我が宿の花ふみしだくとりうたむ野はなければやここにしもくる (紀友則、『古今和歌集』)私の家の庭の花を踏み荒らしている…