猫日記253。 失敗しない店選び18。 貴公子のいる日常6。 夏のノスタルジア20。 そのお花屋さんは大通りに面したテナントの中のひとつだった。 しかし、 花の気配もせず、 人の気配もせず、 看板もない。 唯一ガラスのすぐ向こうに貴公子のごとき美猫がいる。 ガラスに近づくと、かすかに緑陰の香りがした。 (しかし美猫由来ではない。) 「ここはほとんど私の趣味でやってるような店なんだよ。」 オーナーさんは語る。 「店舗兼事務所。自分の拠点みたいな感じかな。」 それなのに、固定のお客さんは結構抱えてるらしい。 お店持つ前からずっとお花業界にいるのだとか。 オーナーさんは、お花関係のお仲間さんとなにか…