前回からの続き。 いろいろな問題が渦巻く中、西部さんの長男(仮に徹くんとする)は家に嫌気がさしていたようだ。中学の頃から友人や親せきの家で時間を過ごす事が多く、家にいる事を極力避けていた。西部さんの義母や夫は、中学生になったら少しは店の助けをして欲しかったようなのだが、徹くんは休みもろくろく無く、客がくれば深夜や早朝でも対応しなくてはならない家業を嫌っていた。西部さんの義祖父、つまり義理の父(故人)の父が始めた仕事で義祖父⇒義父⇒西部さんの夫と継いで来たのだ。その流れで行けば、徹くんが次代になるのだが、本人はそんな気はさらさら無く、寧ろ家族から、家業から逃げ出したくてたまらなかったそうなのだ。…