美術展

特別展「中村正義」看板 2025年5月31日～7月6日まで奈良県立美術館にて開催の特別展「中村正義ーその熱と渦ー」の感想です。 どんな展覧会？ 全体的な感想 源平海戦絵巻 第3図「玉楼炎上」 「おそれ」 その他 おわりに どんな展覧会？ 中村正義（1924-1977）→「反骨の画家」と呼ばれ、さまざまな画風を展開→代表作を中心に、多様な活動にも焦点を当てた展覧会 全体的な感想 中村正義、まったく知らなかったのですが、作品によってかなり画風が異なることにまず驚きました。 振れ幅がすごい（展覧会チラシを撮影） 伝統的な日本画から始まったと思いきや、ポップな色遣いで大胆な構図、かと思えば巻物もあり、…

新宿・SOMPO美術館で「藤田嗣治」展が開かれているんで、 これは“行かなくちゃぁ”でさっそく。 作品は企画展が開かれるたび通っているんで、有名、無名問わず ある程度なじみのある作品があるのですが 人物像・街角の情景・裸婦像・宗教画・そして傍らにいる猫たちと、 見慣れた作品も何度鑑賞してもそこには「新しい発見」があって、 でもまた見入っちゃうんです。 人々の目を引きつけるようなやわらかな画風で、 写実的ではないけど淡～いタッチ・色使いの作品からは、 “絵本の挿絵”のような雰囲気を時に醸し出しているように思えます。 今回は「７つの情熱」という視点から一堂に作品をそろえた大回顧展であり、 「自己表…

大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展 日本国宝展 大阪市立美術館 令和７年４月２６日～６月１５日 ・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・－・ 大阪、暑いな…。行ったのは６月なのだが、めちゃくちゃ暑くて、美術館に着いたときには汗だくだった…。 美術館の中は人がごった返していて、蒸し暑い状態。中は、なんとなく汗臭い感じ。 ＜PR＞ とはいえ、展示室に入ると、永徳の唐獅子の屏風がお出迎えだった。ちょっとテンション上がる。 こういうのめちゃくちゃ好き！ そして、いつも５月に東京の根津美術館に行くが、この年は根津美術館に行けておらず、光琳の燕子花図を愛でら…

先日長久手市と刈谷市にある美術館を縦断して展覧会を鑑賞してきました。 最初に長久手市にある名都美術館で最終日の「没後50年 堂本印象とは何者か」を鑑賞。京都画壇の巨匠にして日本画の革新者であった、堂本印象の多彩さが楽しめました。京都にある氏自らが設計した京都府立堂本印象美術館も僕のおすすめの美術館ですので、ぜひ印象の世界に触れてみてください。 京都市立堂本印象美術館 さて、今回は絵本作家やグラフィックデザイナーなどの展覧会を企画することで有名な刈谷市美術館で6月15日まで開催中の「レオ・レオーニ術館と仲間たち」の展覧会レビューを。 レイ・レオーニは1910年にオランダで生まれ、芸術を愛する家庭…

本日の展覧会レビューは、愛知県美術館で６月８日まで開催中の江戸東京博物館コレクションより「どうぶつ百景」です。 本展は、２０２２年に江戸東京博物館とパリ日本文化会館が共同開催された「いきもの：江戸東京動物たちとの暮らし」展を拡充させたもので、大河ドラマ「べらぼう」の蔦重人気もあいまってか、会場はかなりの賑わいでした。 日本の庶民文化が花開いた江戸は、風俗や生活など魅力的な時代で日本の生活様式の基盤を築いたともいえます。 人々の暮らしに密接に結びついた動物をテーマに徳川綱吉の掛軸、狩野宇信の東海道五十三次屏風に歌川広重、国芳、豊国、月岡芳年などの浮世絵や着物や蒔絵の装身具、土人形、玩具など動物に…

歌麿、写楽、北斎、広重、国芳江戸時代の五大浮世絵師の代表作を、一度に見れる展覧会が始まりました。 大河ドラマは見ていますが、私は日本画に疎くて、 特に「北斎」と「広重」の違いがよくわかっていなかったので、 こんないい機会はないと、上野へ行ってきました。 美人画、役者絵、風景画、140点あまり。それはそれは、見応えのある展覧会でした。 撮影許可作品 写楽 撮影許可作品 北斎 撮影許可作品 広重 撮影許可作品 国芳 その躍動感、緻密さ、構図、どれも息を呑む美しさです。 こんなに浮世絵をたくさん見たのは初めてだったので大興奮でした。 版元名に「蔦重」「西村屋」などを見つけて嬉しかったです。 音声ガイ…

今月から来月に掛けてどうしても見ておきたい展覧会が二つ京都でありましたので、思い切って観てきました。 一つ目は二条城を会場にしたアンゼルム・キーファー展です。キーファーは１９４５年生まれのドイツ人で、はじめは法律家をめざしていたようです。しかし幼い時代の戦後の荒廃した情景が強く影響し、彼を美術による表現者にしたようです。今回会場に行き、作品が徳川家康の作らせた建築物の中で違和感なく異彩を放っていたのに驚きました。建造物と彼の作品を違和感なく、かつそれぞれに感じました。 kieferinkyoto.com むしろ私にとっては一つ一つの彼の作品の持つテーマを消化することができない方が気になりました…