アムステルダム聖ニコラス教会 行きつけの病院に行く。自宅から歩いて5分ばかりのところにある中規模の病院である。 相変わらず地域の老人が多い。 長椅子に座って順番を待っているとすぐ前の椅子に、背中を丸めてヨタヨタとすり足をしている老婆と、その老婆の腕をしっかりと支えている息子らしき男性が来た。 その男性は頭も白く70歳位に見えた。 長い人生を歩いて年老いた母親を、すでに初老になった息子がやさしく手をつなぐ姿を見て、ほほえましい気持ちになった。 しかし同時に、近い将来の自分の姿を重ねると複雑な心境である。 ついこの間までこのような情景を見ると、「自分だったら息子に手を引かれてまでは生きたいとは思わ…