上を向けば涙はこぼれないかもしれない。しかし、上を向くその目には、自分よりも恵まれている人たちや幸せそうな人たちが映る。その瞬間、己の不幸を呪い、より一層みじめな思いをすることになる。私も不幸な状況にいるが、自分より恵まれていない人は世界には大勢いる。その人たちよりも自分が先に嘆くなんて、軟弱もいいところだ。これからつらいときは、涙がこぼれてもいいから、下を向き自分の幸せを噛みしめることにしよう。 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』 「上位◯%の人間」、「底辺」という言葉がある。 その言葉の前提には「こういう人間は上で、こういう人間は下」というイッメージが個々人なり、特定の集団にある…