寂しさを感じるときには、あるパターンがあった。決まって時間にゆとりがあるときだ。暇なときに寂しくなっている。なるべき仕事を詰め込んで忙しくし、寂しさを相殺するようにした。 前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』 私たちは何もない時間を何もない時間として過ごすことがほとんどできない。 特に何もやることがなければ、お茶でも飲んでゆっくりしておけばいいのだけれど、何かとやることを詰め込んだり、スマホや飲酒やギャンブルやテレビや読書で気を紛らわせる。 あるいは意味もなく街やショッピングモールをふらつき歩く。 なぜかというと、何もしていないとき、時間を特定の何かのために使っていない時に、寂しさや不…