訓読 >>> 176天地(あめつち)とともに終へむと思ひつつ仕へまつりし心 違(たが)ひぬ 177朝日照る佐田(さだ)の岡辺(をかへ)に群れ居(ゐ)つつ我が泣く涙やむ時もなし 184東(ひむがし)のたぎの御門(みかど)に侍(さもら)へど昨日(きのふ)も今日(けふ)も召す言(こと)もなし 要旨 >>> 〈176〉天地とともに永遠にと思いながらお仕えしてきたのに、こんなことになろうとは。 〈177〉朝日が照る佐田の岡辺に群がって近侍しながら、われらの泣く涙はやむ時もない。 〈184〉東のたぎの御門に伺候しているけれど、昨日も今日もお召しなるお言葉もない。 鑑賞 >>> 草壁皇子が薨(こう)じた時、…