作家。リスト::児童文学作家 1959年東京生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。 1988年「空色勾玉」でデビュー。 西の善き魔女、RDG レッドデータガールがアニメ化されている。
<ハードカバー版>
(産経児童出版文化賞JR賞・日本児童文学者協会賞・第55回小学館児童出版文化賞受賞)
<ノベルス版>
<文庫版>*2
「萩原規子」ではありません。萩(はぎ)でなく荻(おぎ)です。
*1:勾玉三部作の続編ではありませんが、物語の舞台は地続きとなっています
*2:ノベルスとは刊行順が違います
この本との出会いは、実を言えば模試だった。中学時代の模試に出てきた文章が、「樹上のゆりかご」からの抜粋だったのである。 もちろんそのときはそんなことを忘れて、1年後くらいに手に取った。「あれ? これ読んだことあるな……」と思って驚いたものである。 高校生の話である。学校行事に本気に取り組む進学校で過ごす主人公がとある一連の事件に巻き込まれていく。 この事件のメイン人物となるのは、眉がばつぐんに美しい一人の女子生徒なのだが、これがまた、まるでキャンバスの上でそこだけ色を塗り忘れているような、どうしても目が吸い寄せられていくような存在感を持っている。 主人公のひろみはのんびりしたところがある少女で…
もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで (角川文庫) KADOKAWA/2020年7月26日発売 荻原規子 著 表紙イラストに惹かれて手に取った一冊。 酒井駒子さんの描く、外国の少女が本を読んでいる(ように見える)イラストは、幼少期に私が読書を通して感じた純粋な幸せがぎゅっとつまっているように思えて好きです。なぜかはわからないけど、とてもなつかしい。 この本は日本のファンタジー作家として名高い荻原先生の「読書」にまつわるエッセイ集なのだけど、共感してぐいぐい読んだ章と、あまり惹かれず読み飛ばした章とがあっておもしろかったです。 それでいいんだと思う、エッセイの読み方って。 1…
Kindle Unlimitedのオススメに、いわゆるラノベ系ではなさそうなレーベルの小説が出ていたので、読んでみたら、当たりだった。 萩原規子「空色勾玉」徳間文庫 空色勾玉 「勾玉」シリーズ (徳間文庫) 作者:荻原規子 徳間書店 Amazon 萩原規子作品を読むのは、たぶん初めてだと思う。「西の善き魔女」など、気になるタイトルはあったけど、そのうち読もうと思いながら、何年もたってしまった。 本作は日本の神話をベースにした、ファンタジー作品。1988年に刊行されたとのこと。 1988年当時、私はまだ学生で(大学院の博士課程の入試に落っこちて、バイトしながら研究生をしていた…)、海外のSFやフ…
先日、ある絵本(「よるのいえ」という絵本です)を手に取った時に、その絵本の作者は「オクスフォード版わらべうたの本」のなかの「これはおうこくのかぎ」が大好きで、この絵本の形を思いついたとあとがきに書かれていました。 よるのいえ (大型絵本) 作者:スーザン・マリー・スワンソン 岩波書店 Amazon あれ?「これはおうこくのかぎ」って、確か荻原規子さんの作品の中になかった?と確認したら、やっぱりありました。彼女の初期の作品だそうです。 この本(「これは王国のかぎ」のこと)の最初に、谷川俊太郎さんが訳した「これはおうこくのかぎ」(「マザー・グース3」(講談社)より)が載っています。 なるほど、この…
こんにちは、めめです。 2/17(金) 前日の注射した部位が痛くて目が覚める。コロナのワクチンも左腕に打ってきたからそろそろ限界か?来週は右腕に打ってもらおうと決める。お尻でもいいんだけど、なんだか勇気が出ない。全体的に怠くてジムもパッとしなかった。昨日に引き続き、中山七里の「カインの傲慢」を読む。ストーリーは面白いけど、内容が深すぎてずっと考えてしまう。正義とか善悪の正解ってあるのだろうか。 2/18(土) 久しぶりにゆりかもめに乗って、豊洲市場に行った。ゆりかもめは程よく人が乗車していて、日当たりも良く心地よかった。今日の移動は唯川恵の「バックをザックに持ち替えて」を読んだ。登山という無縁…
喋る神様パピヨンと女子大生の、ちょっと不思議な共同生活シリーズ2冊目。 エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ (角川文庫) 作者:荻原 規子 KADOKAWA Amazon 小説の内容を覚えておくためにブログ書いてるのに、読み終わってから長らく放置したせいで既に内容を忘れかけています。あちゃ~! 今回も荻原節炸裂してた〜!大好き〜! 前巻もだけど、荻原先生って人の怖いところを書くのが本当に上手……。たくさん不思議なことが起きてますが、結局一番怖いのは人の心なんですよね。 以下、あやふや感想になります。明言は避けてますが、ネタバレもあるので読了後推奨です。
喋るパピヨンを拾った主人公の、ちょっと不思議な大学生活のお話。 エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード (角川文庫) 作者:荻原 規子 KADOKAWA Amazon 荻原規子先生の小説は、『RDG レッドデータガール』シリーズ、『西の善き魔女』シリーズ、『空色勾玉』、『これは王国のかぎ』、『樹上のゆりかご』などを読んだことがあります。 1年間で上記の作品を全部読んでしまうくらい、大好きな作家さんです。 今回のお話も、主人公の複雑な心理描写が丁寧に描かれていて、「これぞ荻原先生だ~!」とにっこりしながら読了しました。 もやもや悩む女の子の心理描写、楽しい~! 以下、感想になります。明言は…
ふくろう模様の皿 (評論社の児童図書館・文学の部屋) 作者:アラン・ガーナー 評論社 Amazon こちらは荻原規子先生の「もうひとつの空の飛び方」という作品に紹介されていたので読んでみました〜! もうひとつの空の飛び方 『枕草子』から『ナルニア国』まで (角川文庫) 作者:荻原 規子 KADOKAWA Amazon あらすじ イギリスのウェールズ地方に住む少女・アリスンは屋根裏にあった皿を見つける。そこにはフクロウの模様が描かれていた。友人のロジャとグウィンは謎を追うが、奇妙なことが起き始めー!? 読んでみて ホラーよりも怖いと書いてあった本作。 「いやでも児童書だしね?そんな大したことない…
もう12月も半ばに! 時が経つのは早い! 忘れないうちに11月読んだ本を紹介〜! 続 若草物語 女ともだち 完璧じゃない、あたしたち ひきこもり図書館 エーミールと三人のふたご もうひとつの空の飛び方 たのしいムーミン一家 自由への道 ハリエット・タブマン 青い目 茶色い目 ぼくらの七日間戦争 はてしない物語 上・下 心はどこへ消えた? 続 若草物語 続 若草物語 (角川文庫) 作者:L・M・オルコット KADOKAWA Amazon 若草物語2作目。ちょっと成長したメグジョーベスエイミーの4人姉妹の物語。2作目で物語としてはいい感じにまとまっているのだけど、3作品目4作品目もある。続きも読ん…
今日読んだのは、荻原規子『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』です。 八百万の神の一柱を名乗る白黒のパピヨン・”モノクロ”と同居する女子大生・美綾の生活を描いたファンタジーシリーズの第3巻です。 1巻2巻の感想はこちら↓ rukoo.hatenablog.com rukoo.hatenablog.com 美綾の学生生活が主だったこれまでと打って変わって、今作ではいきなり平安末期にタイムスリップします。 平将門という実在の人物の物語や歴史をファンタジーに再構築する手法は、これまで勾玉シリーズなどで見せてきた荻原規子の真骨頂といったところでしょう。 個人的には、この間、古川日出男訳の『平家…