「中国、明代の処世哲学書。二巻。洪応明(こうおうめい、字は自誠)著。万暦年間(1573-1619)成立。儒教思想を中心にし、仏教・道教思想も加味した約三六〇条の処世訓。江戸時代に伝来し、日本で広く愛読された。菜根談」 (『大辞林』 第二版)
「中国の雑学書。二巻。明の洪応明著。成立年未詳。警句ふうの短文三五七条からなる語録で、仕官中の保身の術や退官後の山林閑居の楽しみを、儒教・仏教・道教の思想をまじえた立場で述べたもの。中国より日本で愛好された」(『大辞泉』)
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逆境は良薬 渋沢栄一の「論語と算盤」が脚光を浴びるようになりましたが、「論語」は孔子という知恵者が弟子たちに向かって賢明な生き方や学び方や物の見方を語り伝えた人生の指南書ではあるものの、孔子は宗教家でも哲学者でもなく、その後成立した「儒教」の教祖が孔子と思われていることに疑問を呈する見方があります。 shuchi.php.co.jp 「儒教」は思考や信仰の体系であり、その学問的分野に「儒学」があります。 菜根譚は明代末期に優秀な官僚として活躍後、政争に巻き込まれ隠遁したと推測される人物、中国明代の著作家、洪自誠(こう・じせい)が著したものです。 この時代に「官僚」となるためには、「科挙」と言う…
世を渉ること浅ければ、点染もまた浅し。事を歴ること深ければ、機械もまた深し。故に君子は、その練達ならんよりは、朴魯なるに若かず。その曲謹ならんよりは、疎狂なるに若かず。 機械――からくり。たくらみ。権謀術数。 きかい 「機械」①動力によって一定の運動をおこし、その結果、有用な仕事をするもの。広く、設計通りの働きをするように人間が作り出した装置。 魯 おろか。にぶい。 世渡りの機微を掴んでうまく立ち回るよりも、朴訥な方がよい。とそういう教えのようだ。 どうも口先賢しらにして世の中を渡っていくやつが多いのは、現代に限ったことではなかったのだろう。
道徳に棲守する者は、一時に寂寞たり。権勢に依阿する者は、万古に凄涼たり。達人は物外の物を観、身後の身を思う。むしろ一時の寂寞を受くるも、万古の凄涼を取ることなかれ。 人生に処して、真実をすみかとして守り抜く者は、往々、一時的に不遇で寂しい境遇に陥ることがある。(これに反し)権勢におもねりへつらう者は、一時的には栄達するが、永遠にさみしくいたましい。達人は常に世俗を越えて真実なるものを見つめ、死後の生命に思いを致す。 そこで人間としては、むしろ一時的に不遇寂しい境遇に陥っても、真理を守り抜くべきであって、永遠にさみしくいたましい権勢におもねる態度をとるべきではない。 もう、道徳というもの自体が難…
1.はじめに 2.内容 3.教訓 菜根譚 (岩波文庫 赤23-1) [ 今井 宇三郎 ]価格:1067円(税込、送料無料) (2021/8/21時点) 楽天で購入 1.はじめに 解説にも記載されているように、書名の由来は宋の汪信民の語にある「人よく菜根を咬みえば、即ち百事なすべし」とこから来ており、”菜根は堅くて筋が多いので、これをよく咬みうるのは、ものの真の味を味わいうる人物である。”を意味しています。 世に立ち人との道を説く「前集」と、山林自然の趣きと退隠閑居の楽しみを説く「後集」の2部構成になっています。 以下では、現役世代向けに、人間関係や処世術についての記述が中心の「前集」の内容を中…
アバタローさんに教えて貰った菜根譚を2冊買いました。 【21分解説】菜根譚|洪自誠 ~あらゆる悩み、ストレスから身を守る極意書~ 1冊目は純粋な菜根譚の教えを纏めた本。 中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚 エッセンシャル版【電子書籍】[ 洪自誠 ] 価格:1,100円(2021/2/28 23:20時点)感想(0件) 2冊目は菜根譚の書かれた時代背景を含めた解説本。 【純粋な菜根譚だと思って買ったらまさかの解説本でした。結果良かったですが】 菜根譚 中国の処世訓 (中公新書) [ 湯浅邦弘 ] 価格:902円(2021/2/28 23:18時点)感想(4件) これはまさに人生の処世訓というにふさわし…
お題「ささやかな幸せ」 不要不急の外出は、控えて居ります。 ホームスティなんですよね。 どこぞの国会議員さんみたいに、銀座に呑みに行くことないです。 もちろん、キタにもミナミにも、行っておりません。 私の大好きなヒガシにもです。 ヒガシってどこって言われそうです。 何やら、一時キタにもミナミに触発されて、ヒガシいうキーワードが出来ましたが、今では使う人はないんでしょうね。 ちょっぴりマンモスかなピーです。 ヒガシと言えば、何やら京橋辺りですね。 確かに、古い町ですから、雰囲気はあります。 京橋駅前の串カツ「まつい」に、気持ちは馳せます。 でも、京都から大阪にやって来て、7年近くになりますが、一…
「GO TOキャンペーン」、「桜を見る会」、「学術会議人事介入」。これらのどれにもまったく触れないのも異様であろうが、これを三幅対(さんぶくつい)で論難するのもまた異様である。 そして「GO TO・桜・学術会議」を一組にし、嬉々(きき)として難じるのが朝日新聞と東京新聞である。 《「Go To」はそもそも4月の閣議決定では、感染収束後に実施することにしていた事業である。それを政府は7月に見切り発車した。ただ、条件は「状況を的確に判断し、臨機応変に対応する」(西村康稔担当相)ことだったはずだ。 ところがである。秋に入って感染が急拡大しても、「すでに予約も入っており、今から変更することは難しい」(…
飾らず利口ぶらず、水が流れるように正直に生きると良い。 わずかばかり自我の意識を残して、自分の体を自然に預けよ。 質素に生きて、1つの清らかな名前をこの世に遺して、死ぬのが良い。 菜根譚前編37番 It is good to live honestly as if water flows, without decorating and clever. Leave your body naturally, leaving a little ego consciousness. It is good to live spartanly, leave one pure name in the wor…
こどもを教育するときに、最も大切なこと。 それはどんな友達と交わるかに注意することである。 清らかな田畑に、たった一つの良からぬ種が入り込む。 そうすると、その種がはびこってしまい、それこそ一生良い稲が育つことはない。 菜根譚前編39番 The most important thing when educating children is about paying attention to what kind of friends they meet. Only one bad seed enters the pure fields will infest and that will not …
困難が窮まり、事が行き詰まることがある。 そんなときには、その事を志した最初の心を思い出すと良い。 何か事をやり遂げたなら、その事の行く末を考えると良い。 菜根譚前編30番 When things can get stuck, it is good to remember the first mind that aspired to that. If you've done something, think about the fate of that thing. Saikontan Part 1 No. 30 菜根譚 (岩波文庫) 作者:洪自誠,今井 宇三郎 発売日: 2018/11/15…
私は仏教徒で真宗門徒ですので、仏教に関しては普段真宗関係の文献を読むことがほとんどです。若い頃は仏教でもさまざまなことに関心をもってはいたものの、あまりにも広大な領域なので、結局自分の家の宗教に関する文献中心になりました。真宗の文献を読んでいて気づきを与えられることが多いのでそれで満足しています。真宗に関しては少しばかりこのブログで触れたことはあります。おそらく他のどんな宗派でも同じように何らかの学ぶべきことがあっておもしろいのでしょう。 さて買ったときのことを覚えていないのですが、書棚に岩波文庫の『ブッダの真理のことば 感興のことば』がおいてあって、しばらく前から時々手にとって読んでいます。…
やはり中国古典はおもしろい こんにちは。 📚500冊読破を目指す9696です。 本著は、『孫子』から始まり『貞観政要』まで 14冊の中国古典から、中国古典第一人者の著者がエッセンスをまとめたものである。 10年以上前に文庫版の『中国古典一日一話』を鞄に忍ばせ、毎日のように読んでいた日々が よみがえる。 各章よりぶっ刺さった一文を紹介します。 ・孫子(孫武) 「明君賢将の動きて人に勝ち、成功、 衆に出づる所以のものは先知なり」 敵に先んじて情報を収集するから成功は 保証される。情報収集に金を惜しんでは いけない。 ・論語(孔子) 「不義にして富み且つ貴っときは、 我に於いて浮雲の如し。」 人の道…
新年度になったが、今の職場も4年目で仕事以外に閊える時間が増えてきたので様々な本や映画に触れることができたし、一つの作品から得られるものが増えてきた気もする。 -政治・経済- 政治については『政治と複数性』、『新統治論』で政治哲学の理論について学ぶとともに、『日本社会のしくみ』で現実社会の構造を学ぶことができた。 国際政治についてはウクライナ問題が落ち着かない中、『人権と国家』、『現代ロシアの軍事戦略』と関連図書を読んだ。 経済については『教養としての経済学』を読んだが、教科書的すぎたのでもう少し発展的な本を読んでいきたいと思った。 -思想- 『ポストヒューマニズム』、『現代思想 いまなぜポス…
入社して10年、同期や後輩が昇進して、その部下になる人もいます。なぜ、悔しいやら情けないやら、でもビジネスの世界では普通です。諦めも心の養生です。 でも個々のビジネススキルが高いのに評価されていない人がいます。スキルが低ければ諦めもつきます。スキルが高い人は思います。なぜ? そんな人は、この項目をチェックしてください。 指導力不足ではないですか? あなた個人は、とても優秀で仕事ができる人です。でも、それを後輩に正しく教えることができていますか?仕事は教わるものじゃない盗むものだ、と思っていたら間違いです。それは、教える能力のない人の言い訳です。また、人を育てる能力が評価を左右します。 教えるこ…
入社して10年、同期や後輩が昇進して、その部下になる人もいます。なぜ、悔しいやら情けないやら、でもビジネスの世界では普通です。 中には、個々のビジネススキルが高いのに評価されていない人がたくさんいます。スキルが低ければ諦めもつきます。でも、スキルが高い人は思います。なぜ? そんな人は、この項目をチェックしてください。 指導力不足ではないですか? あなた個人は、とても優秀で仕事ができる人です。でも、それを後輩に正しく教えることができていますか?仕事は教わるものじゃない盗むものだ、と思っていたら間違いです。それは、教える能力のない人の言い訳です。また、人を育てる能力が評価を左右します。 教えること…
天にまします我らの父よ、 願わくは御名を崇めさせ給え、御国を来たらし給え。 御心の天に成る如く、地にも成させ給え。 我らの日用の糧を、今日も与え給え。 我らに罪を犯すものを我らが赦す如く、 我らの罪をも赦し給え。 我らを試みに会わせず、悪より救い出し給え。 【聖書の言葉】 ヤコブのうちにまじないはなく/イスラエルのうちに占いはない。 神はその働きを時に応じてヤコブに告げ/イスラエルに示される。 【緩いギリシャ神話】 ヘラ ゼウスの正妻である。彼女はゼウスの姉の一人だったが、 その美しさからゼウスに求婚されて妻となった。 ヘラは非常に嫉妬深く、暴力的で復讐心が強い性格だった。 ゼウスには多くの愛…
読書チャレンジ54冊目、『中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚』を読了しました。今回もKindleで読みました。 中国、明の時代に洪自誠という方によって書かれた処世術書です。以前読んだ『葉隠』と同じように謎めいたタイトルの本ですが、文字から見てわかるように「野菜」の意味を含んでいるようです。「野菜の根は堅いが、しっかり噛めば世の真理を理解できる。」そのような意味を持つようです。
耳に痛い忠告や小言を常にきき 心の中に思い通りにならないことが 常にあってこそ 自分を磨き 大きく成長できるのだ これに対し お世辞や褒め言葉ばかりをきき 思い通りになることばかりだったら 人生を毒の中に 沈めてしまうようなものだ 菜根譚 エッセンシャル版 洪自誠著 より抜粋 小さな小島の主 その島の中限定で トップに立てた それは 現場で真面目に働く職員がいてこそ そんな当たり前な事を すっかり忘れて 自分にとって 音色の良い言葉だけを拾い ニコニコしている 苦言に対しては権力を振りかざし 相手を窮地に追い込む 心が貧しいのでしょう そんな人は幸せになれません 自分を守るためにも 見識を広め…
人はとにかく無意識のうちに 人として正しくない行動を とる場合がある だからこそ 何か行動を起こすときは それが正しいことなのか そうでないのかをしっかりと 考える癖をつけなければならない さもなければ どんどん悪い方向に暴走してしてしまう 菜根譚 エッセンシャル版 洪自誠著より抜粋 人は心の中で思っている事を ついつい口に出したり その思いを 行動に移してしまう 心で思うだけなら自由なのだが 😢 いざ 実践してしまえば 災いの種となり 後々自分を苦しめる その時に後悔しても取り消せない 自分を戒め 考えて発語し考えて行動する術を 身につけなければ〜 自分を守らためにも‼️ ٩(^‿^)۶
昨日と同じ寄り道を通っているとケーキ屋さんを見つけた。来週末に個人的なイベント事があるからワインと一緒に買って帰ろうか。そのまま公園をスルーし、昨日とは別のルートへ。路地のロジックはだいたい何処かに通じているということ。玄関にまだイルミネーションが点いているお家があり、忘れているのか、毎日がイベント事なのか。後者の方がよいな。 さておき。 2つの方向から同じ番組で「存在と時間」が紹介された。たしか読んだ気がするのだが、さっぱり残っていない。僕もこの番組は好きだった、「愛するということ」、「徒然草」、「菜根譚」が面白かった。 「存在と時間」が残っていないのはおそらく哲学書を読み始めた当初で有名ど…
百福自集 今回は百福自集(ひゃくふくじしゅう)です。 心穏やかな人のところには、自然に福が寄ってくる、ということです。 百福、自ら寄って来る、という訳です。 あーあ、そんなこと言うから大福食べたくなってきちゃったよ!! にわとりさんにも大福が寄ってこないかな。 でも、本当に大福が勝手に動いてたら食べられないでしょ。 確かに、薄気味悪いけど。おなかに入っちゃえば平気じゃない。 食べられるように見えないですよ。 この言葉は、余裕が無く心が荒れ果てていたら何をやっても上手く行かない、という文章の一部です。 あー、大福食べたい☆彡 出典は「菜根譚」でした。
「本当に強い人たちって、暴力を振るわれてもやり返さない。かといって相手に屈しないし、跪かない。いずれは自分もそういう境地に達したい。」 ある格闘家は引退前にこのようなことを言った。参考にすべき言葉として今でもこれを忘れず留めている。 アカデミー賞授賞式でのウィルスミスの平手打ち行為が世界中で騒ぎになっている。世界中が注目する舞台で前代未聞の行為であった。同時に、自分自身にあてはめて、ふるまいや感情のコントロールについて改めて冷静に考える為の良い機会となった。 「彼は俳優としてではなく夫として妻を守った。よくやった」、「殴って当然。コメディアンが悪い」、「彼には殴る権利がある」、「いかなる場合で…
人を陥れたり騙したりする策略や 駆け引きの類を知らない人は 確かに賢明である しかし こうした権謀術数を知りながらも それを使わない生き方ができる人こそ 実はもっとも賢明な人である 若い頃は節度を守り生きてきたのに 晩年になって欲におぼれ 人の道に外れた生き方をしてしまうと 今まできちんと生きてきた半生が 台無しになる 人間の一生は 後半の人生をどう生きるかで 決まる 菜根譚より 悲しいかな😭人間は 手にしている権力を 正しく 使えない 我欲に負けて 自己満足のために 濫用し この上ない爽快感を味わう しかし それは一瞬の事 400年前に書かれた処世訓や 歴史から 学ぶ機会は いくらでもある …
どこにいっても何か一冊持っていくなら何の本がいいか? 法華経とか?ですか いいえ、そういうのは持って行かないでいい。 唱えるべきは憶えて居るから唱えられる。 お経はここでいう本ではない。 私は「お経」ではなく「菜根譚」を持っていく。 あらゆる局面で人間がいかにあるべきかがすべて説かれている。
こんな本を読む。 中国古典「一日一話」―――世界が学んだ人生の参考書 三笠書房 電子書籍 作者:守屋 洋 三笠書房 Amazon 古き知恵、繋がりで中世のイタリアから中国の古代に飛ぶ。 昔Kindle日替りセールで買ったものだと思う。 老子、論語、孫子、韓非子、菜根譚、その他の有名どころを中心に、現代の我々が学ぶべき知恵を、研究者である著者が選定して解説したもの。 ページ数は長いのだが、一話一話細切れになっているので意外と早く読める。 それにしても、中学生の頃に横山光輝「三国志」を読み、漢文も得意だった小生からすると、中国の古典というのは特別な味わいをもって響いてくるなぁと感じる。 なんかね、…