訓読 >>> 1729暁(あかとき)の夢(いめ)に見えつつ梶島(かぢしま)の礒(いそ)越す波のしきてし思ほゆ 1730山科(やましな)の石田(いはた)の小野(をの)の柞原(ははそはら)見つつか君が山道(やまぢ)越ゆらむ 1731山科(やましな)の石田の杜(もり)に幣(ぬさ)置かばけだし我妹(わぎも)に直(ただ)に逢はむかも 要旨 >>> 〈1729〉明け方の夢にたびたび見えて、梶島の磯を越えては打ち寄せる波のように、妻のことがしきりに思われてならない。 〈1730〉山科の石田の小野の柞原を見ながら、今頃あなたはその山道を越えようとしておられるのでしょうか。 〈1731〉山科の石田の杜にお供え物…