秋の到来を初めて感じさせる風を 「秋の初風」(あきのはつかぜ) と言います。 「秋の初風」には、 まだ夏の名残りが消えないものの、 明らかに風に秋の風情のある 物寂しくて蕭条とした感じがあります。 平安時代前期の勅撰和歌集『古今集和歌集』に藤原敏行 (ふじわら の としゆき) の まさに「秋の初風」を表した歌があります。 秋立つ日詠める 秋来ぬと 目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 立秋の日に詠んだ(歌) (立秋の日になっても) 秋が来たと、はっきりと目にはみえないけれど、風の音で (秋の到来に) ハッと気づきました。 「秋立つ日詠める」というのは、 「立秋の日に詠んだ歌」という…