フェイスブックからの報せによれば、私は四年前の今日、拙宅老桜樹の満開宣言を発していた。明日からは散り始めるだろうなんぞと、投稿していた。 今は切株状態となって老残の姿を晒しているとはいえ、根が残っているからには、なにがしかの生命活動を続けてはいるのだろう。さよう考えて、ひこばえの幼い脇枝を五本ほど残しておいた。せめてもの老後の過し甲斐のつもりだった。三本は枯れて失せ、二本が立ち続けてきた。 視れば、二本の枝先に芽を吹いてきている。けなげなことよと思いかけて、慌てて引っこめた。この樹の貫禄からすれば、馬鹿にするんじゃねえと、どやしつけられかねない。 拙宅にはむろん、庭などない。隙間かせいぜいが通…