教室で喫茶の習慣をはじめたのは、受験も近くなった三年生の頃でしたでしょうか。 勉強道具より他にさしたる用具もないので、そのまま打ち遣られていたロッカーに、お湯の入った水筒と粉末タイプのミルクティーを持ち込んだのがはじまりでありました。 それが少しずつエスカレートして、法事でもらったインスタント珈琲にシュガー、続いてティーカップにソーサーが登場し、それを安置するための簡易棚が設えられたのは最早自然のながれでした。 私が唯一自慢すべきは、この習慣が「放課後ティータイム」より先んじていたこと。なにせ私が愛用していたノリタケのカップとソーサーは机にすっぽりと収納できたので、英単語や例文を諳んじながら教…