★★★☆☆ あらすじ 地方の文学同人誌に書いた初めての小説が著名な文学賞候補になった男は、受賞を確実なものにするために奔走する。 感想 文学界の欺瞞や草の根で文学活動をする人々の生態を描く物語だ。地方同人誌で活動する人びとが、仲間内でけん制し合い、誰かが抜け駆けすることに怯えている様子はリアルだった。主人公の文学賞受賞の成否が分かった時の皆の反応は酷いなとは思ったが、それが素直な気持ちなのだろうこともよく理解できた。 文学賞候補になった主人公が、金や体を使って審査員を買収しようとするシーンでは、審査員の大作家を演じる由利徹や梅津栄の曲者ぶりが面白かった。この他、ポール牧や山城新伍らの熱演も記憶…