序文・仏教の世界観 堀口尚次 三千大千世界(さんぜんだいせんせかい)は、仏教の世界観における宇宙の単位である。特に大乗仏教においては、一人の仏が教化する世界のことであり、宇宙は無数の三千大千世界から成る。仏教の世界観では、須弥山(しゅみせん)〈古代インドの世界観の中で中心にそびえる山〉を中心として日・月・四大州・六欲天(ろくよくてん)〈天上界の内いまだ欲望に捉われる6つの天界〉・梵天(ぼんてん)などを含む世界を一世界とし、一世界が1,000個集まったものを小千世界といい、小千世界が1,000個集まったものを中千世界といい、中千世界が1,000個集まったものを大千世界という。大千世界を三千大千世…