長崎県沖。夜明け前の海は静かだった。 ある漁船が普段通り網を引き上げていた。 だが、水平線の向こうに見慣れない巨大な構造物が立っているのに気づいた。 「なんだ、あれ…橋…だと…?」 海面からそびえるコンクリートの橋脚は高さ50メートルを超え、朝日に照らされて青白く光っていた。設計図や資材の一部が見えたが明らかに中国製だった。 「国交省に連絡しなきゃ…」 その通報から事態は急速に動き出した。 海上保安庁の巡視船と自衛隊の護衛艦が沖合に配備され、橋の周囲は立ち入り禁止区域に設定された。日本政府は緊急会議を招集し、首相官邸は異例の緊張感に包まれる。 「これは国際経済回廊構想の一環であり、日本と中国を…