国宝の高松塚古墳壁画を見学する機会に恵まれました。飛鳥美人の通称で知られる、歴史の教科書でもお馴染みの壁画。先月スマホで見つけた文化庁の催しに応募していたのです。運転の練習も兼ねて、初夏の明日香村へ向かいました。 壁画は古墳から石材ごと搬出され、仮設修理施設で保管されています。受付けを済ませると、私と同じ時間枠の参加者は12人。壁画の発見から保存に至る経緯を解説したビデオを全員で観た後、いよいよ本物の壁画が待つ作業室へ移動します。温度や湿度を厳重に管理された作業室は、まるで手術室のような白い空間でした。手前の通路側だけが見学できるように作られていて、奥から整然と並べられた壁画のうち、西壁女子群…