佐高信さんの「いま、なぜ魯迅か」を読む。前書きには『「会社国家」であり「官僚国家」でもある日本では、「精神の奴隷」が主人の意向を先取りする、いわゆる忖度が大流行りである。まじめ主義者と多数に従ういい人ばかりのこの国に、今必要なのが魯迅の「批判と抵抗の哲学」だ。』とあった。 魯迅は1923年12月26日に北京女子高等師範学校 で講演を行った。その時の講演「ノラは家出してからどうなったか」で、ノラは「理屈から言えば堕落するか、戻ってくるか」の二つの路しかない、と言っている。そしてこう、続けているのである。 「金銭ー高尚な言い方をすれば、つまり経済ですが、それが一番大切です。もちろん、自由は金で買え…