日本で、政府による福祉や公衆衛生などへの取り組みが本格的に始まったのは、明治の後半から大正にかけてのことでした。たとえば病院の整備、下水処理、貧しい人への支援、公営住宅、託児所等々の事業です。 「国鉄」のもとになる組織ができたのも、その頃です。しっかりした組織ができ、鉄道はさらに便利になりました。発電所が建設され、電気の時代が始まりました。ラジオ放送局もつくられました。 じつは、これらのことはすべて、後藤新平(1857~1929)という政治家が関与しています。彼はほかにもたくさんの仕事をしました。6月4日は後藤の誕生日。 後藤は、若いころ医師でした。しかし、「個々人の病気を治すより国家の病気を…