JR貨物の構内入れ替え用ハイブリッド機関車。
DE10形ディーゼル機関車の老朽取り換えを目的として、構内入れ替え用として開発された。
世界で初めてリチウムイオン電池を搭載した機関車で、シリーズハイブリッド方式(直列方式)を採用。ディーゼルエンジンで発電機を回し、発電した電力でモーターを動かす。主回路装置には東芝製PMSMが採用されている。
力行時は、発電機と蓄電池の双方から電力を供給し、必要に応じて強調しながらモーターを回す。
制動時は、回生ブレーキを利用し、モーターを発電機として機能させ、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄電池に蓄える。
開発の中核となるエンジン発電機と蓄電池の動力強調システムは、国土交通省の鉄道技術開発費の補助を受けた。
車体は凸型であり、入れ替え用のため、運転台は進行方向に対して横向きに取り付けられている。
2010年6月に東京貨物ターミナル駅構内で実施された700t牽引走行試験では、燃料消費量はDE10形比で36%減、騒音レベル(エンジン高速回転時)は同比22dB低減、NOx排出量も同比61%減少した。
稼働後の状況についても、各配置箇所ともにエネルギー削減量は計画量を上回り、省エネルギーと環境負荷低減に貢献している。また、騒音が小さいことから、隅田川駅や越谷貨物ターミナル駅といった住宅密集地に近い駅では導入効果が顕著である。
2010年3月に先行試作機901号機が落成、1年間の走行試験の後に東京貨物ターミナルに配置。
2012年から順次量産され、新鶴見機関区に配置されて関東近郊の各貨物駅に配備されている。
2014年からは岡山機関区配置車両も登場し、関西などの貨物駅に順次配備される。
*1:DE10形は1,350PS