◆噴水モニュメント シルバーウィーク、帯広の駅前広場は十勝ならではの澄んだ初秋の空気が満ち、やわらかな光が差し込んでいた。 人の行き来はあるものの、どこか時間がゆっくりと流れているような静けさがある。 そのなかで、亮太は緑色のガラス張りの噴水モニュメントをぼんやりと眺めながら、奈葉を待っていた。 約束の11時を少し過ぎたころ、奈葉が見慣れたトートバッグを肩にかけてやって来た。 「こんにちは、亮太くん。 バスが遅れちゃって、少し待たせてごめんなさいね。 そして、十勝へようこそ」 その言葉は、まるで観光ガイドが最初にかける一言のようで、亮太は思わず小さく笑った。 「そうだ。せっかくだし、この噴水の…