あなたのその大きな手で撫ぜて貰えたら、どれだけ幸せだろうかと、望んでしまった。 しゃがんで、頬杖をついて、足元で戯れるあたしを、やさしく微笑んで眺める。それだけ。他の人みたくあたしに触れようとしない。あたしを見る目はこんなにもやさしいのに、絶対に、撫でてかわいいと言ってはくれないのだ。 どうして? みんな、あたしのことをかわいいと言って、撫でてくれるのに、どうしてあなたはあたしに触れてもくれないの? ムッとした顔でみつめて訴えかけても、笑って躱される。 あなたのその、頬を支えている、その大きくて骨ばっていて、あったかそうなその手で、触れられたい。 あたし、こんなはずじゃなかったのに。もっと余裕…