最近の円安について「日本は政府債務が巨大だから」「財政赤字で通貨が弱い」といった論説が目立つ。しかし、この説明はマクロ会計・国民経済計算・国際金融論のどれを取っても成立しない。本稿では、円安論争の誤解を最短で整理し、日本の国富の実像を明らかにする。 1.GDP式から国富(B/S)を導く:国は本当に「赤字」なのか? 通常のGDP式はフロー(P/L)の式だY=C+I+G+NX投資 I と貯蓄 S の恒等式を使うとI=S−(NX+Gd)となる。ここで、国富(B/S)に読み替えるため、以下の対応を導入するS(民間貯蓄) → 家計純金融資産→ 実際に保有するストックGd(政府赤字) → 政府負債(国債残…