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2017-03-17

[]AI時代の働き方と法

著者は神大法学部の労働法の教授で、本書も人工知能について詳しく書かれたものではなく、労働法の入門書でありその将来展望という色彩が強い。ただ最後になって、労働法の出番はなくなるとか、人間摂食と生殖に専念するのではとか、ぶっ飛んだことも書かれている。

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[]批判する 批判されるジャーナリズム

慶應大石裕教授著作朝日新聞社雑誌『Journalism』などに書かれた文章を集めたもの。よくも悪くも常識的に書かれていて、悪い本ではない。だが、ジャーナリズム論って、いったいなんだろう、とも思う。本書の中で大石教授は、ジャーナリズムに対する様々な注文を述べているが、ジャーナリストは聞き耳を持つだろうか?良心的なジャーナリストなら持つかもしれないが、新聞記者やテレビ記者基本的にチームで仕事をしていて、本人の裁量は小さいだろう。そんなこと言われても・・・と思うのではないか。それと、ジャーナリズム論の学者はやはり圧倒的に、何らかの知的な強みをジャーナリストに対して持つべきではないのだろうか。それは、数理的な分析手法かもしれないし、海外の事情について通じていることかもしれないが、そうでなければ、ジャーナリスト自身も次々と大学教授へと「天下り」する中、単にバカにされるのがオチではないのか。

それともう一つ、査読についても考えさせられる。本書の論考はすべて「査読なし」であるマスコミ学会でもなんでも、本書の論考を学会誌投稿したら、おそらく査読は通らないだろう。新規性や、論理展開の点で、文句が付くであろう。自由に依頼原稿を書くには、うまく地位を得て大石先生くらい偉くなるしかなく、しかし、地位を得るためには、つまらない査読者に注文に、営々と応え続けなくて、査読論文の数を増やさなくてははならない。

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2017-03-06

[book}対称性と数学

対称性には様々な種類がある。左右(鏡映)対称、回転対象、平行対称、すべり対称など。それをシステムに表すのがConwayの記号で、これによって模様の分類ができる。平面だけでなく球面などにも拡張可能。さらにオイラーの多面体定理や群論にまで進んでゆく好著。

[]日本人の考え方 世界の人の考え方

ダニエル・ベルの脱工業社会論やマズロー欲求階層論を参考に世界横断的に行われてきた「世界価値観調査」の第6回をまとめたもので、生活感・社会感・政治感などさまざまな有益調査結果が載っている。日本人幸福感は国際的にみると中位であるが、寛容度は低いといったことがわかる。「アラブの春」後のエジプトがひどい状態であることも現れている。

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2017-03-04

[]ハーフリアル

著者の博士論文であり、そのままゲーム研究代表的著作となった。ゲームの理論について、具体的なゲームを例に引きながら周到に論じるものだが、どこか物足りなさが残るのはなぜだろう。あまりに慎重だからか。

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[]紙と人との歴史

紙の歴史についての本は先日も読んだが、本書の特徴を挙げると、中国について詳しく、特に白居易の生涯についてかなり詳細に記述してある。モンゴル人がバグダートの図書館破壊したくだりでは怒りを禁じえなかった。西洋ではルターがひとつの焦点。

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2017-03-03

[]ゾンビ

特殊書店タコシェ店長映画ライター作家兼ミュージシャンの3人がゾンビ映画を論じる本で、制作の経緯などがかなり詳しく調べられているところはよいのだが、ほぼ伊東美和氏が書いていて、中原氏の文章など最後の20ページくらいしかない。



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2017-03-01

学生時代に書いた小説が出てきた。自分でもすっかり忘れていたので、いったいどうなるのか、スリルを感じながら読んだ(笑)

[小説}蝙蝠売ります

 カップにコーヒーが残っているにもかかわらず、上から紅茶を注いでしまった。捨てるか捨てまいか迷ったあげく、どんな味がするのかためしに飲んでみたい。やはり上手くはない。けれどももし自分ボクサーで、試合前の厳しい減量中だったら、こんなものでも天の恵みのようにおいしく飲めたかもしれないと考えて、自分を慰めた。

 話が最初から逸れたが、なぜ紅茶を飲もうとしたかと言うと、安楽椅子腰掛けカタログをめくるには、その方が相応しいと思えたからなのだ。初めて出たボーナスで、とりあえず欲しいものはないけれど、そのまま貯金するのもつまらない話なので、いくらかは使おうと思い立ったのだ。

 色とりどりのページの中に、幸福そうな男女の顔が並んでいる。こうしたモデルにしたって、本当は病気で苦しんでいるのかもしれないし、借金返済のためにいやいや仕事をしているのかもしれないが、さすがプロ、そんな様子は表情からはうかがえない。そうした中で、ただ白いページに極太のゴシックで

 蝙蝠売ります

とだけ書いてあったのは、逆説的に目を引いた。都会で育った僕は、蝙蝠の実物を見たことがない。これを買ってみようか。僕はすぐ電話して、届けてくれるように頼んだ。

 30分くらい経ったろうか、窓から男が顔を出した。ここは3階なのにおかしな話だ。しかも頭の上に鳥籠を乗せ、鳥籠の中では蝙蝠がさかさまにぶら下がっている。

お金に困って、どうしても処分しなければならないんです。大切にしてくださいよ」

はいはい

「それでは」代金を受け取った男はマントを翻すと、鳥のように飛び去った。僕は籠を机に置いて、蝙蝠の様子をしげしげと眺めた。まったく貧弱だった。翼を縮めれば、手の平にすっぽりと納まってしまうだろう。何を食うのか分からない。仕方ないから、削ったかつおぶしを与えてみた。すると喜んだのか、キイキイと小さな声で鳴いた。

 だいぶん懐いた頃、僕は日に三十分だけ、籠から出してやることにした。蝙蝠は羽根不器用に羽ばたかせながら、部屋の中を飛び回った。

 ところがある日のこと、蝙蝠を遊ばせながら本を読んでいると、いきなり管理人が入ってきた。こころアパートはペットが厳禁であることを思い出し、僕は焦った。やにわに蝙蝠を捕まえると、本の間に挟んだ。

こんにちは、今月の家賃がまだですね」

 鄭袁まで地方公務員だったという管理人は、慇懃無礼な態度で、上目遣いに僕の部屋を見回しながらこういった。

「払いますよ。別に踏み倒すつもりはないです」

「ところでね、私が動物嫌いでペットを禁止していることは既にご存知だと思いますが、最金、あなたの部屋で鳥か何かを飼っているという噂がありましてね。本当ですか。本当だったら困ったことになりますがね」

「何も飼っていませんよ」

「本当ですか」管理人は僕の部屋のあちこちを覗いて回った。洋服ダンスの中から冷蔵庫まで。ここにはプライバシーというものがないのだろうか。そしてついに、蝙蝠の羽根が飛び出している地質学大事典に目をつけた。

「ここにはさまっているものは何ですか?私には鳥の羽根のように見えますが」

「あ、これはですね、栞ですよ。栞に決まっているじゃありませんか。本にはさまっているのは昔から栞なんです」

「ははあ、そうですか。わかりました。栞があばれたりしないように、せいぜい気を付けてください」と言いつつ管理人は、地質学大事典の表紙をぐっと押さえつけた。

「あっ」

「何ですか?栞がつぶれるとでも?」

「いや、すみません。来月は遅れずに家賃を払いますから、もう帰ってくれませんか」

「帰ります

 管理人が帰ったあと、地質学大事典を開いてみると、哀れ蝙蝠はペシャンと潰れて死んでいた。僕は遺骸をハンカチにくるみ、アパート裏の空地に持っていき、スコップで小さな穴を掘ると、埋葬した。上にはいくつか石を積んで目印にした。

 わずかな時間でも一緒にいたものと別れると、こころに穴があいたような気がして虚しい。僕はさみしさを紛らわせることもできず、仕事も捗らなかった。もう一度何か飼いたくなった。そこでカタログ誌をもう一度つぶさに見ると、今度は、

 ワニ売ります

 というページに目がとまった。この前の蝙蝠は弱すぎたのだ。これを飼ってみることに決め、僕は注文した。

 その後、テレビの音楽番組が五曲くらい流したあとに、行商のおばちゃんがやってきた。

あんたかい、ワニを買おうって言うのは」

はい

「うしろのかごに、ワニは入っているからね。ほれ、どっこいしょ。どこで飼うの?」

「そうですね・・・やはり風呂場しかないですね」

「お風呂はどこ?」

「こっちこっち。気を付けて。その辺に失敗したプラモデルのかけらが散らばってますから

「あら、ずいぶんと小さなユニットバスね」

「ほっといてください」

「これじゃギリギリだよ」おばちゃんはかごを下した。さらに懐ろからアルトリコーダを出して、ピイヒョロピイヒョロと吹き始めた。するとどうだろう。かごのふたが内側から開いて、巨大なワニが顔を出した。おばちゃんが吹き続けると、ワニは風呂の浴槽に入っていった。

はいよ」

「はあ、なるほど」

「ワニは神経質だからね。いじめちゃだめだよ」

「いじめませんよ」

「それじゃあまたよろしく」

 カラになったかごをおぶって、行商のおばちゃんは去っていった。ワニは何を食べるのだろう。やはり肉だろうな。僕はスーパーに行って、牛肉と鶏肉と豚肉を買い、ワニに食べさせて時間を測った。一番早く食べる肉を与えようと思ったのだ。しかしどれも一瞬のうちに平らげてしまうので、結局どの肉が好きなのかよく分からない。

 ワニを飼ってしばらく経ったのち、また管理人がいきなりやってきた。

こんにちは。今月の家賃をお願いします

「あ、はいはい」僕は財布から数枚の一万円札を出した。

「今月から値上げしたんですよ、あと5千円お願いします

「いきなりそんなことってありなんですか?冗談じゃないですよ」

 その時、風呂場のワニが跳ねたのだろう、大きな水音がした。

「今の音はなんですかな」管理人はすっと風呂場の方に向かった。

「やめてください」

「どうしてとうせんぼなどするのです?ははあ。やましいことがあるのですな?」

「違いますよ」

「では風呂場を見せてもらいますよ」管理人はズンズンと進んで、風呂場の戸をあけた。僕はとっさに後ろから目隠しをした。

「今のは、まさか、ワニ」管理人は震え出した。「あんたはワニを飼ってるのか。頭がおかしいんじゃないか?」

「ワニですって?失礼な。あれは私の妻です。新婚の妻の裸を見ておいて、ワニとは何だ一体」僕は大声でわめきながら、目隠しをしたまま管理人を後ろにひきずって玄関まで出した。

「人の妻の裸を見ましたね。夫の私が制止するのも聞かずに。これは重大な犯罪ですよ。イスラム圏なら死刑ですよ」

「バカはことを言うな。あれはワニだ。こっちこそ裁判に訴えて立ち退いてもらう」管理人がそう捨て台詞を残すと、ドアをバタンと閉めて去っていった。

 僕はふうとため息をついた。

 だがワニを飼っておくのは僕にはやはり無理だった。ワニの食事代だけで家計赤字になってしまう始末だ。怖いから家の風呂に入ることもできない。肌からシラミが湧いてきた日、僕はワニと別れることに決めた。いや、別れるという言い方では、事実を隠ぺいすることになる。僕はワニを殺したのだ。薬局で買った毒物を大量に飲ませると、ワニはあっけなく動かなくなった。それからワニの解体を始めた。まず皮をはぐ。これはバッグになるだろう。それから肉を削ぐ。食べられるかもしれない。それから内臓は食べられないだろう。臓器移植の技術が進んでも、人間とワニでは体が違い過ぎる。そして骨。これはかざっておくとよいかもしれない。というわけで、ワニはいなくなった。ゴミの日に、袋にいれたワニの内臓を捨てようとすると、管理人がじっとこちらを見ている。透けてはいないはずだがドギマギした。

 ワニの皮は本当になめしてバッグにした。ガールフレンドにあげたら喜んでくれた。喜んだところにつけこんで、僕は彼女プロポーズをし、一緒に住むことにした。彼女が僕のアパート荷物を運びこみ、部屋はだいぶ狭くなった。

 そんなこんなであわただしく日々が過ぎていったのだが、それを打ち壊したのがあの管理人だった。

こんにちは、今月の家賃は、また値上げさせていただきますよ」

 僕と妻が夕食を食べているところにいきなりぬっと現れた。

「なんですか急に、ちょっと待って下さい」

「ははあ、こちらが新しい奥さんですね」

「ええ、でもあなたには関係ないことです。家賃は払いますから早く帰ってください」

「前の奥さんはどうなさったんです?」

「前の奥さん?」

「あなた」妻の目がつりあがった。「前に奥さんがいたのね」

「何言ってるんだ。僕は初婚です。無茶苦茶なことを言っちゃ困る」

「この前お風呂に入っていた人ですよ。ワニ子さんと言ったかな。あの人はどこ行ったんですか?まさか殺したんじゃ・・・

 妻の目が怒りから恐怖に変った。箸を握ったままじりじりと後ずさりして、サンダルをつっかけ、そのまま出て行った。僕は「誤解だ」と言いながらあわてて後を追ったが、恐怖に駆られた妻の逃げ足は速く(そう言えば彼女は昔陸上の選手だった)、みるみるうちに見えなくなってしまった。

 脱力して戻ってみると、管理人が妻の食べ残しをムシャムシャと食べていた。

「一体どうしてくれるんだ。貴様デタラメを言うからこんなことになってしまった。この野郎

「元はあなたがでたらめを言ったのでしょう?ところで、奥さんの料理はとても美味しいですね」

とぼけたことを言ってるんじゃない。出て行け」

はいはい管理人は立ちあがると、深々と一礼した。「実は私も孤独な老人の一人でしてね」

「同情なんか買おうとするんじゃないよ」

「実は管理人をクビになってしまったんだ。もうここにも来れません。それでお別れを言いに来たのですよ」

「それがこの始末か」

「ではさようなら

 管理人は出て行った。僕はむしゃくしゃした。じゅうたんの上に寝転がると、何をする気力も湧いてこなかった。窓の外に雪が降り始めている。目を凝らすと、管理人背中丸めて遠ざかっている姿が見えた。僕は手許にあったリモコンを、その背中めがけ、思い切り投げつける。リモコンは思った場所には李和、うろついていた真っ黒な野良犬の頭に当たり、コツンという音が聞こえたような気がした。

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2017-02-09

[]富国と強兵

副題が「地政経済学序説」。地政学経済学との結びつきを復活させるという志が込められている。著者は経済産業省の官僚であるだけに、中身も、経済自由主義を批判し、経済政策、産業政策を正当化するという側面が強いけれど、それにとどまらず、地政学大御所であるマッキンダーの詳細な紹介など、読書する楽しみを存分に味わうことのできる好著。

ちょっと驚くのは、レイという学者学説の紹介で、レイによると、国家財政赤字こそが民間に貨幣供給するので、財政健全化=黒字化は愚かしいという議論目からウロコが落ちた。

戦争によって需要を煽り景気対策をするという考えは、もはや古いと著者は指摘する。戦争によっても景気はよくならないのが現代戦なのだ。果たしてこれは、著者の言うように希望なのか、それともより深い困難なのか?

ここで私としては、小野義康氏の貨幣フェティシズム論をもとにした経済学と接続してみたいものだが。

[]Infoglut

glutとは大食といった意味。情報を大食する現代社会を描いた情報社会論だが、はっきり言って著者の前作の「iSpy」や「Reality TV」と比べると焦点がぼやけていて凡庸、あまりおすすめできない。

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2017-02-04

[]日本の論点2017-2018

日本の論点』は文春からも出ているが、本書は、大前研一氏がプレジデント誌で連載している「日本のカラクリ」をまとめたもの特に元日立の原子力技術者であった大前氏であるので、東芝問題については鋭い。西田社長の行った「選択と集中」によって半導体事業と原子力事業に集中してしまったための軋轢が、不正会計問題を生んだと指摘している。

[]図解でよくわかる地政学のきほん

 地政学はプチブームになっているようなので、入門書をひとつ読んでみた。本書は、予備校世界史教師が監修しているだけに、まるで学習参考書のように図が多く、分かりやすい。マッキンゼーやマハンの理論を元に、大陸国家、海洋国家の例が具体的に紹介されている。

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2017-01-28

[]ドイツ映画零年

ファスビンダーフリッツ・ラングヴェンダースレニ・リーフェンシュタールを中心に論ずる映画評。これは名著と言っていいと思う。ラングの奥さんはナチ党員だったのか・・・

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2017-01-23

[]大学入試問題で読み解く「超」世界史日本史

片山杜秀教授が、東大京大一橋早慶論述歴史入試問題を、編集部との対談の形で解説。回答自体は作っておらず、問題回答例含めて論評。一橋の出題に結構批判的なのが面白い。出題者の意図忖度しなくてはならないと(!)。

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2017-01-22

[]世界をつくった6つのものがたり

テレビ番組と同時進行で執筆された啓蒙歴史書ガラス、冷たさ、音、清潔、時間、光の6章構成だが、グーテンベルク革命眼鏡発明家ド・フォレストと真空管アンプなど、メディア史と関連の深い事柄も数多く含まれている。

[]思想的地震

柄谷行人の講演集成。別に単行本化した「近代文学の終り」や「日本精神分析」をはじめ、「日本人はなぜデモをしないのか」などとても面白い。中でも、熊野大学中上健次を論じた「秋幸または幸徳秋水」は出色だろう。中上の「岬」などの主人公名前「秋幸」には、大逆事件で処刑された幸徳秋水が反映されているというのだ。中上の故郷である新宮は、実は大逆事件とかかわりが深い土地柄なのである

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