akehyon-diary

2018-04-16

[]ダークスター

懐かしい感じのする宇宙船もの宇宙船爆弾が知能を持っているところから、人工知能の先取りと言えなくもないが・・・爆発しようとする爆弾を、哲学現象学)を使って説得するところなど、面白い

[]マダムと女房

買っておいておいたのだがなかなか見る機会がなく、今日になって学生たちと一緒に視聴した。有名な、日本初のトーキー作品。こんなマンガチックな、ユーモラスな作品だったのか。トーキーの特徴を生かし、さまざまな音があふれている。主人公作家ちょっと高橋ユキヒロに似ている。

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2018-04-13

[]養子縁組社会学

東京大学に提出された博士論文(を加筆訂正したもの)。日本人にとって血縁がどんな意味を持つのかという問題を、養子をとった親、ならびに、養子自身へのインタビューから明らかにしようとするものだが、問題の複雑さが見えたというところで終わっている。

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2018-03-18

[]質的研究のための理論入門

邦題通り、質的研究のための各種の理論をやさしく解説する。原書は2005年刊行だが古さは感じない。「シンボリック相互作用論」「解釈学」に始まり「ポスト構造主義」「ポストコロニアリズム」まで。ギデンズとブルデューを論じた第11章「構造化と実践の理論」など、かなりよく書けていると思う。

[]プラットフォーム革命

プラットフォームを築き上げて成功した企業の紹介が主。中でも、アリババが中国でいかにイーベイ等のライバルを蹴落としたの説明は興味深かった。

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2018-03-17

[]エンドレスエイト驚愕

人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で、ほとんど同じ内容を8回に渡って放送し、賛否(というかほとんど否)を呼び起こした「エンドレスエイト」。私はこのことを知らなかったくらいだが、著者の三浦俊彦氏は、分析哲学という鋭利武器を使って、この「エンドレスエイトから多数の仮説を引き出す。涼宮ハルヒを見ていなくても楽しめる。

[]地図で楽しむすごい北海道

タイトル通りなのだが、地図好き、地理好きには大いに楽しめる。第1章では地形、第2章は歴史、第3章は交通、第4章は産業テーマ南茅部から出た土偶を「茅空」と呼んでいるとは知らなんだ。所得ベスト1が猿払村というのも意外。

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2018-03-01

[]自動人形の城

クリオ城のルーディメント王子勉強嫌いで、邪悪魔法使いに唆されて呪い言葉を発し、家庭教師のパウリーノを黒猫に、他の召使たちを人形に代えられてしまう。召使たちは命令に従うことはできるものの、人間意図を推し量ることはできない。そこへ、王位簒奪を狙う叔父サザリア公が副大主教を伴って現れるという知らせが。王子接待をしなくてはならないという試練に直面する・・・召使人形を例に、人工知能ができること・できないことを解説するファンタジー仕立ての啓蒙書。中高生にもすすめられます

[]史上最悪の英語政策

英語でべらべらしゃべるのがカッコイイという軽薄な思いから英語入試を変えようとする不勉強政治家たちと、それに追従する(せざるを得ない?)文部省、そして、審議会で暗躍する英語試験業界関係者たち。著者の阿部公彦東大准教授が言うように、この改革英語教育を悪い方向に進ませるとしか思えない。読むと暗澹たる気分になる。

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2018-02-04

[]日本史の謎は地政学で解ける

タイトル通り、地政学を応用して日本史を読み解くものだが、特に気候の温暖化・寒冷化現象が、西国東国の力関係に影響したというのが興味深い(温暖化は現在だけの話ではない)。ところどころ偏見混じりではないかと感じる部分もあるが・・・。例えば、石原莞爾や東條英機の行動が、東北出身者のヤマト政権への「復讐」とするところなど。

[]雨かんむり漢字読本

著者は元・辞書編集者だが中国古典に造詣が深く、本書でも、「霧」のところで出てくる張楷(五里霧を操る)と裴優(三里霧を操る)の対立や、地方長官として蓄財に励んだために妻に去られた荅子の話など、いろいろと面白い

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2018-01-14

[]日本の無戸籍者

タイトルが示す通り、日本において無戸籍の人が被る問題とその原因、そして戸籍とは何か、なぜ戸籍で差別が起きるのか、それから、蓮舫氏で話題になった多重国籍や重婚問題まで、幅広く論じられている。特に印象に残るのは、樺太から引き揚げてきた人の苦労に焦点を当てた第4章で、これはほとんど国家による棄民と言える。同時に第3章では、お金持ちなどが手段を駆使して(本籍を移したり、別の家に入ったり)、徴兵逃れをしていた事実にも焦点を当てている。

著者は記者県議、代議士などを歴任。5児の母で、自らの離婚再婚と戸籍問題についてもきちんと触れている。

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2018-01-07

[]復刻版教科書 帝国地理 大正7年

タイトルにもある通り、大正7年に刊行された文部省検定済の中等教育程度の地理教科書をほぼそのままの形で復刻したもの。中身は日本地誌が中心だが、朝鮮台湾樺太も含まれる。順序としては、まず帝国の中心の関東地方に始まり、続いて奥羽(東北)、本州中部中部)、近畿中国四国九州台湾北海道樺太朝鮮という順序で記述される。時代を反映して、差別的用語があったり、軍事拠点記述があったり、興味深いところが多い。例えば朝鮮族について、「藁葺(わらぶき)の小屋に住し、遊惰安逸に日を送る者多く」などと書いている。

 巻末には、「重要都市村落人口一覧表」が載っているが、これがまた興味深い。例えば「東京府」の項目では、東京市205.0、澁谷町6.3、八王子市3.1、王子町2.9、千住町2.6、南千住町2.3、品川町2.3、となっていて(単位は万人)、後に東京23区に編入された町が未だ独立した自治体だったことが分かる(八王子以外)。神奈川県は、横浜市39.8、横須賀市8.5、小田原町2.1、浦賀町1.8、鎌倉町1.1、秦野町1.1で、後に政令指定都市となる川崎が書かれていない。埼玉県は市がなく、川越町の2.5万人が筆頭で、以下、熊谷町2.1、大宮町1.5、浦和町1.1、秩父町1,1で、川口がない。栃木県では宇都宮市5.4の次に来るのは足尾町3.3である福島県は、若松市4.2、福島市3.4、郡山市2.2、平町1.7で、今ではいわき市、郡山市福島市会津若松市という人口順位から、ちょうど逆転している。青森市人口が既に弘前市を超え、八戸町を大きく上回っているのはやや意外だった(青森市明治以前は何もない寒村で、弘前八戸の間をとって県中央県都を置いたという経緯だから、短時間に相当に人口を増やしたことになる)。同様の経緯の宮崎町は、都城町の人口を上回っていなかった。山形県は、山形市に次ぐのは米沢市で、酒田町や鶴岡町を大きく上回っている。福岡県では、北九州市構成することになる門司小倉八幡若松は既に市となっているが、戸畑については記述がない。鹿児島県は、鹿児島市の次に書かれているのは、後に鹿児島市に編入される谷山村である沖縄北海道は区制をとっており、那覇区5.6、首里区2.4、札幌9.7、函館10.1、小樽9.3、旭川区6.3、室蘭区3.1などとなっている。九州で一番人口が多いのは福岡市でなく長崎市である

人口の多い順に並べると(抜けがある可能性もあるが)、東京市205.0、大阪市139.6、京都市50.9、名古屋市45.2、神戸市44.2、横浜市39.8、広島市16.7、長崎市16.1、金沢市13.0、呉市12.8、仙台市10.4、などとなる。

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2018-01-03

[]消えたシモン・ヴェルネール

フランス映画で、フランス高校生たちが主たる登場人物タイトル通り、まずシモン少年失踪し、続いて、何人かの生徒も消えてしまい、クラスメイトたちはその謎について語り合う。「桐島、部活やめるってよ」的な話かと思ったが、そういうわけでもなかった。

 視点となる人物は、ジェレミーアリス、ラビエ、そしてシモンと変わる。そして、前の場面では謎だったことや伏線が、跡から解かれていくおもしろさはある。ただ、最大の謎である大本シモン失踪真相がしょぼいというか、とうてい推理できないような事柄だったので、全体としても感慨が薄くなってしまった。

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2018-01-02

[]ヴァナキュラー・モダニズムとしての映像文化

早稲田大学長谷正人教授による映像論集。書き下ろしがないのが残念ではあるが、著者が各所で書いた17本の論文エッセイがほぼそのままの形でまとめられている。ヴァナキュラー(土着的な)モダニズムというのは、元はミリアム・ハンセン用語法だそうだ(読んだかもしれないが気づかなかった)。写真映画・テレビなどを幅広く扱っている。中でもやはり、小津安二郎論が心に残った。蓮実重彦による表層批評が落ちこぼしたもの、例えばその中に聞き取れる「GHQ占領政策への批判」を、丁寧に拾い上げている。また、高倉健論や山田太一論も必読だろう。長谷教授山田太一の中に読み取るのは、「理性の公共圏」からはみ出してしまう、弱い人間たちの「愚痴共同体」だ。

[]統計学の日本史

名著「基本統計学」などで知られる統計学者が、歴史の方へと歩みを進めた。福沢諭吉、大隈重信、杉亨二、阪谷芳郎などが論じられるが、中でも、森鴎外が加わった、「統計」という用語法に関する論争が詳しく紹介されていてとても面白い

[]デザインド・リアリティ

われわれが生きる「デザインされた世界」を、店員によるオーダー処理や、コスプレ、プリクラ童貞などをテーマにして心理学的に考察する。

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