みんなが良き縁 (えにし) をもとめている。 自分自身、あるいは家族の誰かがすてきな縁を結びますようにと。 縁結びの御利益をもとめて、大勢の参拝者があしをはこぶ出雲大社は、国譲りに際して大国主神が幽世にお隠れになるために建てられた天日隅宮 (あめのひすみのみや) を始まりとする、と日本書紀は記す。 そして十月 (神無月・出雲では神在月) には、神々がこの大社を訪れて様々なことを話しあう、とされたことから、いつしか縁結びに御利益があると考えられるようになった。 『多賀は命神、住よしは船玉、出雲は仲人の神』との一文を井原西鶴の『世間胸算用』にも見ることができる。 わたしも、出雲大社でかけがえのない…